安価版iPhoneは「Appleの方向性ではない」――Appleのシラー氏、中国メディアに語る

» 2013年01月11日 14時50分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 「市場シェア獲得のために、安価なiPhoneを開発することはない」――。今年に入って大手メディアが相次いで報じた安価版「iPhone」登場の憶測に対し、Appleのフィリップ・シラー(Phillip Schiller)氏が中国メディアの取材中にこれを否定した。

 シラー氏はAppleでワールドワイドマーケティング担当上級副社長を務める人物。Appleが中国市場に進出して初めて応じた中Shanghai Evening Newsのインタビューでコメントした。

 シラー氏は主として、Samsungとの競争を含むスマートフォン戦略について語っている。スマートフォンブームの生みの親であるiPhoneは、Androidスマートフォンと激しいシェア争いを繰り広げている。世界各国の市場でシェアを伸ばしているAndroidは、Samsungをはじめ多数のベンダーが搭載スマートフォンを開発しており、幅広い価格帯のさまざまなラインアップがそろっているが、Appleは年に1度発表するiPhoneのみで戦っている。

 シラー氏はこうした競合状態について、「競合他社のように、多数の機種を投入して、コンシューマーが気に入ってくれることを祈るようなことはしない」と述べ、最高の技術を使った最新製品を1機種開発する自社モデルに自信を見せている。インタビュー中、シラー氏はユーザー体験がApple戦略の鍵を握っている点を強調したという。

 Wall Street JournalやBloombergが1月に入って報じた安価版iPhoneの憶測については、「フィーチャーフォンの代替として安価なスマートフォンを開発しているメーカーもあるが、これはAppleの開発の方向性ではない」と述べている。

 安価版iPhone投入が噂される背景には、スマートフォンの裾野が広がり、シェア争いが拡大するにあたって、低価格帯モデルをそろえることが必須という分析がある。だがシラー氏はインタビュー中、「市場シェアは、Appleがもっとも気にしていることではない」と一蹴している。そして、「Appleのシェアは約20%だが、収益という点では75%だ」とiPhoneの高い収益性を強調したようだ。

 記事によると、Appleは中国市場から売上の15%を得ているという。AppleのCEO、ティム・クック(Tim Cook)氏は中国市場重視を公言しており、現在中国を訪問中だ。

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