最重要課題はスマホユーザー基盤の拡大――第3四半期増収減益のドコモ

» 2013年01月31日 02時08分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 NTTドコモは1月30日、2012年度第3四半期の業績を発表した。売上高は前年同期比6.2%増の3兆3708億円、営業利益は5.6%減の7022億円で増収減益となった。

 営業利益については、Xi(LTE)およびスマートフォンへのシフトが進んでいることから、パケット収入や機器販売収入は順調に伸びており、子会社の売上等も増えているが、課金MOUの影響による音声収入の減少や、月々サポートの影響、営業費用の増加などによるマイナス分を補えなかった。

Photo 営業利益の増減要因

Xiの契約数、計画を上回るペースで増加

Photo NTTドコモ 代表取締役社長の加藤薫氏

 第3四半期には、日本の携帯市場でキラー端末となっているiPhoneの最新モデルが登場したため、同端末を扱っていないドコモは苦戦を強いられた。10月、11月は番号ポータビリティによるポートアウトの数が想定以上に悪化し、11月の契約数では純減を記録。冬モデルの投入効果で12月には復調の兆しが見え始めたが、ドコモの代表取締役社長を務める加藤薫氏は「望むレベルの回復ではなく、非常に厳しい状況」と振り返った。

 しかし、通期目標に対する進ちょくは順調で、端末の総販売数が1757万台(通期目標2380万台)、スマートフォンの販売数が969万台(通期目標1400万台)に到達。Xi(LTE)に至っては、1月9日に900万契約を突破するなど、通期目標の1100万契約に向けて計画を上回るペースでユーザーが増えているという。スマートフォンユーザーの増加に伴ってパケット収入も増加しており、四半期単位で初めて5000億を突破した。

 さらに、dマーケットやドコモクラウドなど、新たな事業領域の成長指標となるスマートARPUも、前年同期比で60円増加。前年同期比の増加分は四半期ごとに増えているといい、加藤氏は「dマーケットを初めとする新領域のサービスの成果が現れ始めている」と自信を見せた。

Photo 純増数と番号ポータビリティの推移
Photo スマートフォンの販売数とXiの契約数

Photo パケット収入とスマートARPUの推移

最重要課題はスマホユーザー基盤の拡大

 NTTドコモはスマートフォンのユーザー基盤を拡大し、その上でクラウドを軸としたさまざまなサービスを展開することで、収益の拡大を目指している。現状、新たな事業領域の拡大は順調に推移しているものの、番号ポータビリティによる顧客流出で解約率が0.8%と悪化していることが課題だと加藤氏。今後、端末、ネットワーク、サービスを磨き直して解約率の低減を図るとした。「低減して0.5%に近づけたいが、まずは0.6%を達成したい」(加藤氏)

 端末面では、高精細・高速通信・高速処理が特徴の春モデルを投入するとともに、AV家電とスマートデバイス、ドコモコンテンツの間をシームレスに連携するための仕組みとして「docomo Smart Home」を提供。今後のデバイス展開については(1)主力機種の積極訴求(2)ラインアップの絞り込み(3)魅力ある機種の先行投入(4)セグメントにマッチした特徴あるデバイス導入 の4本柱で選択と集中を進める。

 ネットワーク面は、下り最大100Mbps/112.5Mbpsの高速Xiのエリア拡大を図るとともに、下り最大150MbpsのXiを2013年度内に提供する予定。サービスについては新たな事業領域の中でも、健康分野の取り組みを強化する方針だ。この分野は、2012年7月にオムロンヘルスケアとのジョイントベンチャーでドコモ・ヘルスケアを設立しており、健康維持に役立つサービスの提供を検討中。ほかにも、測定機器で収集した健康データの結果に応じて、子会社らでぃっしゅぼーやを通じた食材の販売、オークローンマーケティングによる健康機器販売、ドコモが扱う保険商品を連携させるなど、トータルな健康関連サービスの提供を目指す。

 こうした競争力の強化策と、社内のコスト削減の取り組みで、通期目標の営業利益8200億円の達成を目指す。

Photo dマーケットの収入と新たな事業領域の進ちょく

Photo スマートフォンのユーザー基盤を広げ、クラウドサービスの利用を促進することで収益の拡大を目指す。新たな事業領域では健康分野に注力する

Photo 冬モデルは、発売2カ月でIGZO搭載の「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」が44万台、ソニーモバイルの「XPERIA AX SO-01E」が47万台売れたという(画面=左)。ドコモの調査によると、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行でパケット利用料は11倍になるという(画面=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月27日 更新
  1. 3社そろい踏みの「Starlink Direct」 料金で仕掛けるドコモとソフトバンク、先行するKDDIは“サービス”で差別化 (2026年04月25日)
  2. スマホの「残価設定」にメス? 総務省がルール統一を検討も、Appleは「不当な扱い」と猛反発 (2026年04月25日)
  3. 楽天モバイル、ルーター「Rakuten WiFi Pocket 5G」の販売を一時停止 理由は? (2026年04月24日)
  4. ダイソーで1100円の「USB充電器(PD20W)」は、きちんと20Wで充電できるのか? (2026年04月26日)
  5. Xiaomiの前に、中国スマホの“雄”だったMeizu、またしてもピンチ (2026年04月26日)
  6. 5万〜6万円台で買えるおすすめスマホ7選 ハイエンド級性能、防水+おサイフ対応、カメラ重視など多彩 (2026年04月27日)
  7. ダイソーの1100円「シースルーイヤフォン」に一目ぼれ “音質と個体差”に目をつむれば「あり」な選択肢 (2026年04月23日)
  8. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  9. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  10. 1.72型ディスプレイ搭載スマートバンド「Xiaomi Smart Band 10」、高精度の睡眠モニタリングも可能 (2026年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年