「難しいことを避けていたら日本は良くならない」、電力システム改革で経済産業大臣法制度・規制

小売全面自由化と発送電分離を実現する電力システム改革が法案化に向けて着実に進んでいる。責任者の茂木経済産業大臣は困難な局面も予想されることに対して「難しいことを避けていたら日本は良くならない」と語り、改革を進める強い意気込みを見せる。

» 2013年04月10日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 「電力システムに関する改革方針」が4月2日の閣議で決定したことを受けて、茂木経済産業大臣が記者クラブで質疑応答にのぞんだ。その概要が経済産業省から発表されたが、そこには改革に向けた茂木大臣の強い意気込みが表れている。

 閣議で決まった小売全面自由化や発送電分離の実施時期に関して、実現可能なスケジュールかを問われると、「私自身もさまざまな観点から検討を重ねて電力システム改革が不可欠であると判断した。2018年から2020年の間で料金規制を完全に撤廃し、そして発送電の法的分離を進めたい」と強調した。

 料金規制の完全撤廃は難しいという見方もあるとの指摘に関して、「難しいといえば難しい。(しかし)難しいことを避けていたら日本は良くならない」と断固たる決意で取り組む姿勢を示した。

 電力システム改革が消費者にもたらすメリットについても確信をもって答えている。「今回の改革は発電の部門だけではなくて、小売から消費の部門まで全体にかかわる改革になる。新規参入が進み、料金規制も撤廃されて、消費者にとって選択の幅が広がる。これが最終的に電気料金の低下につながる」。

 ぜひとも現在の意気込みを衰えさせることなく、政府を挙げて電力システム改革を2020年までに成し遂げるように願いたい。

図1 電力システムの改革に向けた実行スケジュール(画像をクリックすると拡大)。出典:電力システム改革専門委員会

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