再生可能エネルギー57%の電力を家庭に、ソフトバンクの「FITでんき」電気料金の新プラン検証シリーズ(28)(2/2 ページ)

» 2016年03月16日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]
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提供地域の電力会社と同水準に

 FITでんきプランの料金単価を見てみる。提供する料金メニューはSプランとLプランの2種類だ。Sプランはアンペアブレーカ契約で、契約電流(アンペア)量ごとに契約料金が決まる。Lプランは1kVA(キロボルトアンペア)ごとの主開閉器契約だ。どちらのプランもこの基本料金と、毎月の電力使用量に応じて支払う電力量料金で構成する。

 東京電力管内で提供する料金メニューの単価はSとLどちらのプランも、ソフトバンクと提携する東京電力が2016年4月から提供する新料金プランの「スタンダードプランS/L」と全く同じだ(図1)。スタンダードプランS/Lは東京電力の現行料金プランである従量電灯B/Cに相当するが、料金の差はほぼない。つまりFITでんきプランの料金も、現行の東京電力の料金単価と同水準といえる。

図3 東京電力管内で提供する「FITでんきプラン」の料金メニュー 出典:ソフトバンク

 ソフトバンクが一般家庭の平均的な月の電気使用量とする333kWh(キロワット時)で、FITでんきプランS、30A契約の電気料金を計算した場合、月額の電気料金は約8890円。同じ条件で東京電力の従量電灯Bで計算した場合は8826円だ。同じ条件で北海道電力管内で提供する料金プランを試算してみると、北海道電力の従量電灯Bは約1万352円で、FITでんきプランSの方はわずかに安く1万258円。大きな料金の差は生まれない。

 注意が必要なのは、月の電力使用量が300kWhを下回る家庭の場合だ。120kWhまでの電力量料金の単価が従来より約3円ほど高くなっており、FITでんきプランに乗り換えると、ポイント還元やセット割引などを除く純粋な電気料金は、今までより数百円程度高くなる可能性が高い。なおFITでんきプランの契約は1年間の自動更新制で、契約期間中に解約する場合は解約事務手数料540円が発生する。

 FITでんきは、携帯電話や固定通信サービスをセットで契約すると割引を受けられる「おうち割」も適用できる。これを適用した場合、携帯電話(代表回線1台)もしくは固定通信サービスの利用料金が2年間毎月200円安くなる。さらに電気料金の支払い1000円につき、Tポイントを5ポイントが付与される。この他に、水漏れや配管のつまり、鍵のトラブルといった生活まわりの困りごとが起きた際に出張サポートを受けられる「おうちレスキュー」も2年間無料で利用可能だ。

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