長崎県内では太陽光発電を利用したユニークな試みも始まっている。空港と同じ大村湾に面したテーマパークの「ハウステンボス」で実施中だ。テーマパークの中に2016年3月に開業した「変なホテル」の第2期棟で太陽光と水素エネルギーの活用に取り組んでいる(図14)。
「変なホテル」は断熱効果の高い木材を使った省エネ型のホテルで、客室で使用する電力を再生可能エネルギーの太陽光と水素で作る。ホテルの開業に合わせて敷地内に東芝製の水素エネルギー供給システムを導入した(図15)。
このシステムは上部に太陽光パネルを備えていて、発電した電力を2通りの方法で貯蔵できる(図16)。1つはシステムの内部にある蓄電池に貯める方法、もう1つは水を電気分解して水素を発生させる方法だ。製造した水素はタンクに貯蔵したうえで、燃料電池に供給して電力を作り出す。太陽光発電の電力で水素を作れば、CO2(二酸化炭素)フリーの水素になる。
太陽光パネルの発電能力は62kW(キロワット)ある。蓄電池に貯蔵できる電力量は1800kWhで、一般家庭が1日に使用する電力量(10kWh)に換算して180世帯分に相当する。太陽光で発電できる時間帯に蓄電池に充電しながら、さらに余剰分で水素を作ることが可能だ。変なホテルの第2期棟では年間を通して、72室の客室に水素エネルギー供給システムから電力を供給できる。
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「変なホテル」が電力を自給自足、水素と再生可能エネルギーでCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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