原子力機構によると、溶融などで変形した炉内構造物、燃料デブリなどの取り出しにおいては、厚さが不明で、加工に伴う粉じんの回収が必要であることから、表面から連続的に削り取っていく「はつり除去加工」が有力と考えられる。同研究グループは、レーザー光とパルスウオータージェットを組み合わせた方式を使用し、はつりによる除去を実施した。
まず細い溝になるようレーザーとウオータージェットを右図の右から左に向かって走査し、レーザー照射部の金属の除去を行う。図中の上に向かって移動し溝を重ね合わせた。加工後は溝内外へ溶融化した塊は残っていない。
この加工を何度も繰り返すことによって、対象物を表面から広さと深さ方向に削り取ることが可能なことが示された。また加工の際に削り取られた除去物は、適切な回収装置を設けることで、加工に伴う粉じんと合わせて回収できるとした。
レーザー光とパルスウオータージェットによる方式を現場に適用するには、単位時間当たりの除去量の一層の向上、粉じんの回収が課題としてあるという。原子力機構では、今後の展開について「レーザーパワーの増強とウオータージェットの選定、粉じんを閉じ込めて吸引する方法などを検討していく」とコメントしている。
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