「2050年のカーボンニュートラル」を目指す日本では、今後さらに再生可能エネルギーの導入拡大が見込まれる。それに伴い、系統の安定化に役立つ調整弁として、需給調整市場の拡大が期待されている。需給調整市場は4月の市場開設以降、一部地域での調達不足が見られるが、一日平均で2万8000MWの入札があるなど、概ね順調な推移を見せているという。
既存の設備資産を生かしてインセンティブ得られるなど、調整力の提供には需要家にとってもメリットがある。市場への参加には、簡易指令システムの工事や、事前審査への合格などの条件があるが、最近ではエネチェンジが電力需要家向けにVPPの構築と市場への参加を支援するサービスを発表するなど、選択肢も広がりを見せつつある。
今後の焦点の一つとなるのが、供給力を提供する需要家に対するメリットの明確化だ。需給調整市場やリソースアグリゲーターが構築するVPPへの参加で稼げるというインセンティブが明確になれば、調整力の拡大と再エネ普及の後押しになる。
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