改正省エネ法は、省エネの深掘りと、非化石エネルギーへの転換の同時達成を目的とすることから、エネルギー消費原単位等の算定に当たっては一定の配慮が必要とされる。
特定事業者が燃料の一部を化石から非化石(例えばバイオマス)に転換する場合、燃焼効率の悪化から「増エネ」となるおそれがあるため、化石燃料を使い続けようというインセンティブが働くこととなる。
エネ庁の試算によると、石炭からバイオマス燃料への転換の場合、バイオマス燃料の1%混焼で発電効率が0.08%悪化することから、専焼(混焼100%)による効率悪化は最大でも2割程度と想定している。
よって、非化石エネルギー(この場合、バイオマス)への転換を阻害しないため、原油換算エネルギー使用量(kl)に「補正係数:0.8」を乗じることにより、エネルギー使用量を補正することとする。
補正の対象は、黒液・廃材、水素、アンモニア等の非化石燃料であるが、それらの補正係数(α<1)の具体値は今後の検討とされる。
なお、自家発太陽光発電については、電気そのもののエネルギー量(3.6MJ/kWh)で換算することとする。
後編では、新たに義務付けられる計画・報告書への非化石エネルギーの利用目標およびその算定方法、自家発電再エネ電気の取り扱いなどについて解説する(後編は2022年6月20日に掲載予定)。
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