需給調整市場における応札量の増加や競争促進のためには、商品要件の緩和による参入リソース拡大も有効と考えられる。
現在、三次①を含めた調整力の最低入札量は、専用線で5MWとされているが、これを1MWに変更する。これには需給調整市場システムの改修が必要となるため、導入時期は未定である。
また現在、一次〜三次①の入札時間単位は3時間のブロック時間としているが、これを30分単位に変更する。
現在、小規模なネガポジリソース(需要抑制から発電まで可能なリソース)については、アグリゲーションにより最低入札量を満たすことで、「ネガポジ型」として需給調整市場に参入可能である。
これに対して、リソース単体で最低入札量を満たす大規模なネガポジリソースは、ネガワット型(需要抑制)もしくはポジワット型(発電)として需給調整市場への参入は可能であるものの、ネガポジ型としての参入は整理されていなかった。単体ネガポジリソースとしては、系統用蓄電池や揚水発電機などが想定される。
これらのリソースをネガポジ型として参入可能とすることで、応札量の増加や市場競争の活性化が期待される。
今回、需給調整市場検討小委員会では、単体ネガポジリソースとしてネガポジ型の応札が可能な商品や、アセスメント実施方法等を整理することにより、ネガポジ単体リソースの参入を可能とした。
現在、「あるべき卸電力市場、需給調整市場及び需給運用の実現に向けた実務検討作業部会」では、kWhとΔkWを同時に約定させる「同時市場」への移行が検討されている。
三次①等の商品は、当面は現在の需給調整市場の枠内での「改善」変更が必要とされるが、なるべく将来像と整合的な制度変更とすることが期待される。
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