現在、グローバルに活動する企業の多くが、CDPやRE100、TCFD、SBTi等のイニシアティブに参加しており、国際的なデファクトスタンダードである「GHGプロトコル」に準拠したGHG排出量の算定・報告が求められている。しかしながら、GHGプロトコルはSHK制度とは一定の相違点があるため、事業者の負担となっている。
このため検討会では、SHK制度の報告のために収集したデータや算定排出量データを活用して、GHGプロトコルと整合したScope1・2排出量の算定を行う方法について、検討が行われた。
事務局では、SHK制度とGHGプロトコル(Scope1・2)の間には、多くの共通点と3種類の相違点があると整理している。
これらの相違点については、SHKデータに対して何らかの「変換」や「補足」、「控除」を行うことで、GHGプロトコルと整合した算定に換算することができると考えられる。
例えば単純な例としては、地理的範囲の違いにおいて、国内に限定したSHK制度に国外での排出量を補足することにより、GHGプロトコルに整合させる。
このため、国はこれらの換算方法を整理したガイドラインを作成・公表する予定である。また環境省・経済産業省は、Web上のクラウドシステムである「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)」を提供しており、今後はGHGプロトコルへの換算機能をEEGSに設ける予定としてる。
国は今年度取りまとめた内容について、速やかに省令等を改正し、事業者への周知活動を行っていく予定である。
なお今年度予定していた議題のうち、森林吸収やCCS・CCU等の炭素除去については実質的に議論が出来なかったため、あらためて来年度の議題とされた。
CCSやメタネーションは多大な先行投資が必要となるため、その環境価値の扱いの明確化が急がれる。
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