第1フェーズの期間中においては、各年度(4月1日〜3月31日)が算定対象期間とされ、GX-ETS参画企業は翌年度10月31日までに、検証ガイドラインに準拠した第三者検証済み排出量データをGXリーグ事務局へ提出することが求められる。
第1フェーズ終了後には、GXリーグ事務局でフェーズ中の排出量等を確認・精算後、要件を充足する企業に対しては、超過削減枠が創出・付与される。
また目標未達の企業は、「超過削減枠等提出期間(2026年12月1日〜31日)」内に超過削減枠等を市場から調達・無効化することにより、目標を達成したとみなされる。
このようにGXリーグ事務局資料では、超過削減枠等提出期間がわずか1カ月しか設けられていない。そもそも超過削減枠の付与が2026年11月末であり、12月初頭に超過削減枠が充分に市場供出されるかどうかも不明であるため、参画企業の混乱を招かないスケジュール設定が求められる。
GX-ETSでは超過削減枠の取り引きの信頼性・安全性の確保のため、その法的取扱いや、会計・税務上の取扱いを明確化することが求められている。
まず超過削減枠は、電子的な登録簿の中で記録、移転、無効化などが行われる。
このためGX-ETS規程に基づき超過削減枠登録簿規程の中で、超過削減枠の「帰属」や「移転の効力発生要件」、「保有推定」、「善意取得」などに関する規定を設けることとする。
また会計的視点では、排出枠やカーボン・クレジットの会計上の処理については、すでに企業会計基準委員会「実務対応報告第15号」で指針が示されており、原則、本指針に基づく会計処理を行うことが想定される。
税務的視点では、
などの論点が想定されており、GXリーグ事務局では今後関係各所と調整を行い、税務的な取扱いを明らかにする予定としている。
そもそも排出量取引制度とは、個社の削減活動と企業間の取り引きを組み合わせることにより、費用効率的に社会全体としての削減を促す仕組みである。
取り引きの活性化そのものが目的ではないことに留意しつつも、GX-ETSの本格稼働と位置付けられる2026年度以降の第2フェーズに向けて、参画企業にとって使い勝手のよい制度とすることが期待される。
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