住宅の断熱性能(外皮性能)は、UA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)から構成されており、現在、7つの等級が設定されている。
このため、住宅の外皮性能については7段階評価として、図5のように対応する等級を表示することとする。またラベルでは、第5段階がZEH水準であることが分かるようなデザインとする。
なお、現在の省エネ基準の外皮性能は「等級4」相当であるため、等級1〜3は省エネ基準を満たさない(今後、新築では建設できない)外皮性能であるが、既存建築物においても断熱性能を表示するために残された等級である。
このほか図5の③のように、省エネ性能を評価した時点(評価年月日)を、省エネ性能と併せてラベルに表示することが求められる。
住宅のラベルにおいては、上記の必須表示事項のほかに、再エネ設備や第三者評価、住宅の目安光熱費を表示することが可能である。図6の③は太陽光発電パネルのイメージ、④は第三者評価(例:BELSマーク、ZEHマーク)を表示する例である。
また省エネ性能の高い住宅等は、通常、光熱費を抑制することが可能であり、省エネの効果を金銭に換算することにより、省エネメリットを消費者に分かりやすく伝えることが可能である。すでに、家電製品等における「小売事業者表示制度」では、同様の仕組みが運用されている。
建築物の目安光熱費についても、電気、ガス、灯油の年間消費量(設計二次エネルギー消費量)に、全国共通の燃料等単価を乗じて算出することとする。 ただし、当然ながら実際の各エネルギー使用量や単価は常に変動するため、光熱費はあくまで目安であることの注記が必要とされる。
以上のラベルは、住宅等の販売・賃貸時の広告に掲載するほか、広告を行わない場合は、事業者のホームページや建築物に関する調査報告書等に掲載することが求められる。
なお、本稿で紹介したラベルのデザイン(形状、色調、レイアウト等)はすべて暫定案であり、今後変更される可能性があることに留意願いたい。
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