「同時市場」で変動性再エネ電源をどう扱うか、FIT/FIP制度との整合性が論点にエネルギー管理(4/4 ページ)

» 2023年11月02日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]
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VREによる同時市場への入札方法

 VREの取引は多様な形態が想定されるが、いわゆるコーポレートPPAと呼ばれる相対取引についても、同時市場の導入後は、一定の変化が生じ得ると想定される。

図9.同時市場導入後のコーポレートPPAの一例 出典:同時市場の在り方等に関する検討会

 発電事業者と小売電気事業者で事前に相対契約を締結している場合、同時市場への入札を必須とするか(図10の選択肢①又は②)、不要とするか(選択肢③)は、今後の同時市場の設計次第であり、発電量を市場約定の結果に委ねるか、自社で確定させたいか、などが今後の論点となる。

 また、VREの出力量の設定方法については、FIP電源等の自立化の観点からは、発電事業者(もしくは相対契約を締結している小売電気事業者)が自社で発電量を予測した上で、予測した出力量を同時市場に「入札」又は「登録」することが考えられる。

図10.VREによる同時市場への入札方法 出典:同時市場の在り方等に関する検討会

 2032年以降、卒FIT電源が本格的に増加していくことが想定される。現時点、検討会の主なスコープは、「kWhとΔkW同時最適化による調整力コストの低減」と「全国SCUC・SCEDによる広域メリットオーダー」であると考えられるが、例えば、現在は30分であるコマ時間の高粒度化、GCと実需給の近接化、ネガティブプライスの導入など、他の施策による効果も同時に検証を進めることを期待したい。

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