デロイトトーマツコンサルティングでは、エネルギーシミュレーションツール「TIMES」を用いて、2050年カーボンニュートラルの実現を前提として、エネルギー自給率を分岐要素としたシナリオを想定し、将来の電力需要を推計している。デロイトが想定した3つのシナリオとシミュレーション条件は表2のとおりである。
シミュレーションでは、2040年の電力需要は各ケースで大きな差はないものの、2050年には自給率が増加するにつれて電力需要が大きく増加する結果となった。
これは、自給率が高くなるにつれて各部門の電化が進むほか、図9のように水素製造のための消費電力が増加することが最大の理由である。また水素の需給バランスを見ると、エネルギー自給率が低いケースでは海外からの輸入水素が大半を占めるが、エネルギー自給率が高いケースでは国内水素の製造量が増える結果となっている。
今後の検討会では、2023年度内に需要シナリオ案を策定したのち、2024年度には供給力シナリオ及び両者を踏まえた需給バランスの策定や課題分析を行う予定としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.