使用済太陽光パネルのリサイクル義務化にあたっては、リサイクルを実施する主体や製品の流れ、費用負担の在り方等について、太陽光パネルの特徴や関連事業者の状況を考慮する必要がある。
国内では、すでに家電や自動車等を対象とした個別リサイクル法があり、太陽光パネルについても、これら既存の法制度を参考とすることが考えられる。
例えば家電リサイクル法では、消費者(排出者)が収集運搬料金とリサイクル料金を支払うことを前提に、小売業者による引取義務、製造業者等によるリサイクルを義務付けている。これにより、家電製造業者は、リサイクルしやすい製品を開発するインセンティブを持つ仕組みとなっている。
家電や自動車等と比べると、太陽光パネルは、製品の使用期間(製品寿命)が長く、海外製造業者のシェアが高いため、パネル廃棄時には製造業者等(輸入販売業者を含む)が存在しないことも想定される。また、すでに設置済みである住宅用(10kW未満)336万件・1,536万kW、事業用(10kW以上)71万件・5,787万kWの太陽光パネルの取り扱いについても考慮する必要がある。
再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP)が会員を対象に行ったアンケート(回答者数は非公開)によると、88%の事業者が太陽光パネルのリサイクル義務化に賛成であるものの、62%は費用増加が無い前提での賛成であり、リサイクルの実施率は現時点、20%に留まっている。
事務局では、リサイクル(再資源化)の物理的な対応責任と費用責任を分けた上で、リサイクル義務の対象主体について、検討を深める予定としている。
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