先述の通り、新築戸建住宅全体における太陽光発電設備(PV)設置率は31.4%であるが、住宅トップランナー事業者におけるPV設置率(戸数ベース、2022年度)は、建売戸建:8.0%(6,500戸/80,925戸)、注文戸建:58.4%(57,864戸/99,145戸)、賃貸アパート:21.3%(26,811戸/125,750戸)である。
住宅トップランナー事業者数ベースでPV設置率を見たものが図1であり、注文戸建では設置率70%以上の事業者が3割を超えるのに対し、賃貸アパートでは設置率が低いなど、住宅種別により大きな差が生じている。
また、注文戸建住宅を地域別に見ると、温暖な地域でPV設置率が高いことは事実であるが、寒冷地(1・2地域)においても4割程度の住宅にPVが設置されていることが確認されている。
住宅トップランナー基準の次期目標年度である2027年度における太陽光発電設備の設置目標は、2022年度の設置率31.4%と2030年度目標60%を無理なくつなぐ水準とすることが考えられる。
ただし、地域性や敷地条件により、太陽光発電設備の設置が困難な住宅もあるため、これを考慮した目標とする必要がある。なお第6次エネルギー基本計画においても、「2050年において設置が合理的な住宅・建築物には太陽光発電設備が設置され」ることを目標としている。
新たな住宅トップランナー基準において、太陽光発電設備の「設置が合理的」とは言えない住宅として、以下のいずれかに該当する住宅を除外することとする。
国土交通省の推計によれば、多雪地域における住宅着工割合は9.5%、都市部狭小地における住宅着工割合は6.7%であり、その他周辺環境等によりPVの設置が困難な割合を数%程度と仮定し、目標設定にあたり「設置が合理的」とは言えない住宅は、全住戸のうち「20%」と想定することとした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10