さて、今回の住宅トップランナー制度戸建住宅に対する太陽光発電設備の設置目標により、住宅用太陽光発電の需要はどの程度拡大するだろうか。国土交通省資料等をもとに筆者の推測を交え、2030年度時点のPV設置件数の試算を行った。
まず、2022年度の住宅用太陽光(10kW未満)導入件数は、新築住宅と既築住宅の合計で190,307 件と報告されている。これは「10kW未満」の集計であるため、戸建だけでなく、集合住宅も含む件数であると考えられる。
また住宅着工統計(2022年度)から、持家248,132戸と分譲戸建144,321戸を、新築戸建供給戸数とみなす。TR事業者の供給戸数やPV設置件数は公開されているので、全体との差分を非TR事業者によるものとみなす。また、図5の全PV設置件数と新築住宅への設置件数の差分を既築住宅への設置件数とみなす。2030年度住宅供給戸数は、2022年度の数値をそのまま横置きする。
以上の前提条件のもと、筆者の推計も含め、住宅種別、PV設置件数の内訳等を簡易的にまとめたものが表2である。(※ただし、TR事業者の新築分譲マンション、非TR事業者の新築集合住宅は、集計を省略しているため、差分とした既築住宅PV設置件数は不正確である)
TR事業者と非TR事業者の新築戸建住宅におけるPV設置件数は、2022年度の123,406件から2030年度には234,063件となり、約11万件の増加が見込まれる。仮に2022年度ZEH支援事業の平均設備容量5.8kWを乗じると、約642MWの規模となる。
ただし、これまで住宅用太陽光発電の平均設備容量は増加が続いてきたが、今後もその傾向が続くかどうかは不透明である。住宅トップランナー制度では、PV設置率が目標とされており、設備容量は要件としていないため、初期費用を抑制する観点から、PV設備容量を小さめにすることも考えられる。
すでに、ZEHへの金利優遇措置や第三者保有モデルなどの手法はあるものの、住宅でのPV普及促進策のさらなる拡充が期待される。
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