送配電設備の運用効率化の状況は? 一般送配電各社の計画進捗が公開第9回「送配電効率化・計画進捗確認WG」(3/4 ページ)

» 2025年06月25日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

変電設備に係るマクロ的検証

 一送による送電・変電・配電の投資額合計のうち、変電の占める割合は約18%であり、主な設備は図5の左表のとおりである。真空遮断器・ガス遮断器・超高圧用のGISや変圧器は、高い品質・技術が求められることから、サプライヤーが固定化する傾向が見られた。他方、JIS等の規格への準拠が求められる制御盤や配電盤では、サプライヤーの競争環境が整っている様子が確認された。

図5.変電設備の投資額と内訳 出典:送配電効率化・計画進捗確認WG

配電設備に係るマクロ的検証

 一送による送電・変電・配電の投資額合計のうち、配電の占める割合は約60%であり、主な設備は図6の左表のとおりである。配電設備は、送電設備と同様に「架空方式」と「地中方式」が採用されており、架空線や地中ケーブルを介して、変電所から送られた高電圧の電気を各家庭などの近くで柱上変圧器により低圧へ変換し、計量器を介して電気を供給するものである。

図6.変電設備の投資額と内訳 出典:送配電効率化・計画進捗確認WG

 配電に係る物品のうち、コンクリート柱や柱上変圧器は、恒常的かつ大量に使用するため、輸送費を含めたコスト競争環境下では、近隣に製造拠点を持ち、低い輸送費で納品可能なサプライヤーに固定化する傾向が見られた。

 また配電工事は、供給エリア全域で小規模・短納期の工事を大量に実施するほか、台風等の災害時には即座に復旧工事にあたる必要があるため、一送及び工事会社は、面的に事業所(拠点)を設けており、地域密着型の事業形態をとっている。ただし、施工管理等の観点から、一送各社が発注する先の工事会社としては比較的規模の大きな会社が元請けとなるケースが多く、固定化する傾向が見られた。

 従来、変圧器容量の選定は、需要家の契約容量等に基づき負荷想定を行うため、過剰な設備投資となる可能性があったが、スマートメーターの導入により、実測値に基づく最適な容量での設備構築が可能となった。

図7.スマートメーターによる変圧器容量の最適化 出典:送配電効率化・計画進捗確認WG

 配電工事は、短工期かつ定型的な工事が多量に行われるため、送変電工事のような工事件名単位での発注ではなく、工量制と呼ばれる契約・支払方法を採用している。今回のWGでは、工量制はさらに「工量単価制」と「工種別単価制」に大別され、その細部は一送各社により様々であることも明らかとなった。

図8.「工量単価制」と「工種別単価制」の違い 出典:送配電効率化・計画進捗確認WG

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
あなたにおすすめの記事PR