では、ファイアウォール方式とモバイル閉域網、どちらを選ぶべきでしょうか。筆者の見解としては、初期コストを抑えたい、IT専門スタッフがいる。既存のセキュリティ体制に組み込みたいという場合はファイアウォール方式が適していると考えます。
一方、モバイル閉域網が適している場合としては、長期的な運用コストを抑えたい、セキュリティ管理の手間を減らしたい、より高いセキュリティレベルを求めたいとうニーズにマッチするでしょう。また、多くの場合、長期的な視点で見れば、モバイル閉域網の方がトータルコストは低くなる傾向があります。
ここまでファイアウォール方式とモバイル閉域網方式について解説してきましたが、こうした技術的な対策に加えて、以下ような運用面での基本的な対策も重要です。
今回は、具体的なセキュリティ対策について解説しました。興味深いことに、こうした太陽光発電に関連するセキュリティ懸念に対して、メーカー側も積極的に対応を始めています。例えば、中国の大手メーカーであるHuawei社は、モバイル閉域網の導入を受け入れており、自社でのデータ管理権限を放棄することも容認しています。つまり、メーカー側から機器にアクセスできない構成も可能だということです。
これは、セキュリティ懸念に対する一つの回答と言えるでしょう。メーカーとしても、ユーザーの不安を解消することが、長期的なビジネスの継続につながると理解しているのです。
次回は、こうした太陽光発電のセキュリティ問題の本質について考察します。なぜ今このタイミングで海外製機器のセキュリティが問題視されているのか、技術的な問題と政治的な背景をどう切り分けて考えるべきか、そして産業用太陽光発電の健全な発展のために何が必要なのかについて、総括していきたいと思います。
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