7分で分かる12月のBlog界dev blog/CMS(2/2 ページ)

» 2005年01月12日 12時43分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 Blog機能を備え、特定の相手に読ませるプライベート日記サービス「DI:DO」は10日、ユーザーが自分の日記に執筆者を招待する形で、ひとつの日記を複数人で執筆することができる機能を実装した(12月13日既報)。

 レンタルサーバなどを提供しているFC2の無料Blogサービス「FC2ブログ」は、26日に登録数が2万を突破。28日には、テンプレート機能を拡張して共有テンプレート機能を開始している(12月29日既報)。

RSSに対応する動きも進む

 NTTレゾナントは24日、「トレンドランキング」のRSS配信を開始した(12月27日既報)。トレンドランキングはgooブログ検索サーバが収集したBlog記事の中から最新2日分の記事中に含まれるリンク先を集計、そのトップ30を発表するもの。このRSS配信により、何がBlogで注目されているのかが簡単に分かるようになる。

 アイビィ・コミュニケーションズとファンコミュニケーションズが提供するBlogポータル「BlogPeople」では、27日に大幅なリニューアルを行い、RSS検索サービスと検索キーワードランキングの追加が行われた(12月29日既報)。なお、28日には、Mac OS版Firefoxで閲覧した際にヘッダ部のレイアウトがおかしくなる問題の修正が施されている。

日本語ドメインとBlogサービス連携で付加価値を

 シーサー提供のBlogサービス「Seesaaブログ」は17日、日本語JPドメイン名への対応機能とサポート拡充を発表した(12月17日既報)。

 また1日にはNECのISP「BIGLOBE」が提供するBlogサービス「ウェブリブログ」が同様のサービスを開始している。ただしこちらは有料サービスとなる(BIGLOBE日本語ドメインサービス)。

 これらの対応で、より日本人に分かりやすいURLでBlogも作成できるようになる。Blogユーザーの増加へのはずみになるのかもしれない。この取り組みに関しては2005年も引き続き注目していきたい。

Blogにおけるアフィリエイトの動き

 アフィリエイトに関する動きもあった。

 サイバーエージェントが提供するBlogサービス「アメーバブログ」は1日、Amazon Webサービス対応も行い、利用規約の改定も行った(12月2日既報)。ただし、タグ生成時に入力したアソシエイトIDが正しく反映されない障害が一部に発生していたが、7日に修正されている。

 また、Seesaaブログでは11日からキーワードマッチ型広告にクリック報酬を追加すると共に、キーワードマッチ広告の自動最適化機能を開始している(12月7日既報)。これに先立って「アフィリエイト・プログラム」利用規約の改定もなされている。この変更で、クリックごとに10〜15円程度のクリック報酬が発生することになり、より簡単に広告報酬を得ることが可能となった。

 NTTデータ提供のBlogサービス「Doblog」は3日、サイバーエージェントと共同で約3カ月間、ユーザーのマイページに広告を掲載し、その効果を測定する広告配信実験を8日から開始すると発表した(12月5日既報)。実験期間は12月8日〜2005年3月8日までであり、3月末日まで延長する場合もある。今回はあくまでも「実験」のため、Doblog編集部、および広告を掲載したユーザーが広告収入を得ることはできない。

 NECのISP「BIGLOBE」が提供するBlogサービス「ウェブリブログ」は13日、「Amazon アソシエイト・プログラム」との連携開始とCSS編集の機能強化を行った(12月14日既報)。表現力が増すばかりでなく、Amazonアソシエイトとの連携で、アフィリエイトがしやすくなっている。

 また、「JUGEM」も13日に「アフィリエイトをはじめよう」というページを開設し、アフィリエイトの利用促進を図っている。

ビジネスBlogは2005年、さらに発展するか

 ビジネス向けのBlogサービスにも動きがあった。

 イーハイブ・コミュニケーションは1日、社内およびグループ内用コミュニケーションツール・ナレッジマネジメントツールとして「COMLOG」(コムログ)の提供を開始した(12月2日既報)。

 シックス・アパートは8日、ビジネス向けBlogへの対応を強化すると発表、まず第一弾としてビジネス向けBlogの情報ポータルサイト「Blog on Business」を開設した(12月9日既報)。

 日立製作所 情報・通信グループは8日、ネットエイジと提携し、企業などのイントラネットをBlogベースで構築し、ケータイからも利用可能なサーバサイドのイントラBlogソフトを、13日から販売開始すると発表している(12月9日既報)。

 Blogのトラックバックを利用した試みも始まっている。

 ニフティは、「ご意見番」メンバーとBlog利用者がトラックバック機能を利用して意見交換を行い、おすすめの物(商品ほか)を選定するサイト「木村剛モノログ横丁〜トラックバック井戸端会議」を11月30日に開設した(12月1日既報)。今後、どのように発展していくのか注目だ。

 また、直接ECサイトと結びついたサービスも始まった。ティーカップ・コミュニケーションが開発した、Blogのトラックバック機能を利用して同社のECサイト「Shops@teacup.」上のコンテンツを自動更新するシステムがそれだ(12月6日既報)。12月中旬からは、投稿記事一覧のRSS配信にも対応しており、さらなる情報の配信が期待できる。

RSSリーダーにも新しい風

 さて、Blog関連ツールも見ていこう。

 まず、RSSリーダー関連から。

 ツールではないが、RSSに関する情報を集約したサイトが13日にオープンされた(12月16日既報)。インターネットコンテンツの開発、制作、運営を行うツボックスが提供する「RSSナビ」だ。RSSコンテンツの紹介、リーダーソフトなどの紹介を提供し、RSS情報の基地としての役割を担うという。利用料金は無料で、ソニー「PSP」などが当たるオープニングキャンペーンも展開されている。

 米国発のWeb型RSSリーダー「Bloglines」は現地時間1日、日本語を含む6カ国語のサポートを開始した(12月2日既報)。利用料は無料。語以外に利用できるようになったのは、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、ポルトガル語、スペイン語の6カ国語。

 NTTレゾナントは、無料提供しているRSSリーダー「goo RSSリーダー」の検索可能件数を拡張した新バージョンを2日に公開した(12月3日既報)。また21日には、ブログ検索などgooブログユーザーにとって便利な機能が追加された「gooスティック」のver 5.0版を公開した(12月22日既報)。

 IBC岩手放送は、提供中の地元情報配信ツールバーに独自開発したRSSリーダー機能を搭載した「いわてポータルバー ver1.0」を7日付けで無料配布を開始している(いわてポータルバー)。

 リレーショナルBlogサービス「日記系.jp」を提供しているサイバーズは13日、業界としては初めてとなる「ブログ専用iアプリ・日記あぷり」をNTTドコモのiアプリ対応ケータイ向けに提供開始した(12月14日既報)。利用料は無料で、ケータイの専用アプリとして、Blogを楽しめるように設計されている。いまや見逃すことのできないケータイユーザーをどこまで取り込めるかに注目だ。また、FOMA専用サービスだが、iモードケータイの505i、506iシリーズのほか、EZweb(EZアプリ)、Vodofone Live(Vアプリ)への対応も予定している。

大手ツールに重大なバグフィクス

 OSSのCMS、Blogツールにもさまざまな動きがあるが、その前に注目の出来事があった。多くのツールでも利用されているPHPに複数の深刻な脆弱性が発見されたことだ(12月17日既報)。14日付けで公開した最新版へのアップグレードで対応しているとのこと。PHP 4、PHP 5共に最新版がリリースされたので、PHPを利用している場合はバージョンを確認しておこう。それぞれ、14日付けで公開されたのは「4.3.10」「5.0.3」になる。

 25日にリリースされたCMSツール「XOOPS」の2.0.9にいくつかの重要なバグが発見され、日本公式サイト独自バージョンとして2.0.9aが28日にリリースされた(12月28日既報)。なお31日には正式バージョンとして、セッション関連の重要なセキュリティバグ修正が含まれた2.0.9.2がリリースされている(XOOPS日本公式サイト:ニュース)。

 シックス・アパートは1日、Movable Type 3.11のマイナーバージョンアップ版の「Movable Type 3.121」の提供を開始している(12月2日既報)。そして24日には、「Movable Type 3.14日本語版」の提供を2005年1月中に行うと発表(12月27日既報)。大量のスパムコメントを受信してしまった場合に、サーバ負荷を軽減させるためのコード変更などが実施されたものであり、米国では同バージョンの英語版が既に公開中だ。

機能追加でアップデートするBlogツール

 アップルップルが提供するBlogツール「a-Blog」は、12月28日にPhotolog機能とショッピング関連のシステム拡充を行ったv1.1をリリースした(12月29日既報)。ライセンスごとに追加機能が異なるので注意。

 Blogツール「sb」は23日に正式版1.12Rを公開した(12月24日既報)。正式版1.10Rからの大きな機能追加や仕様変更はなく、細かいバグフィックスが中心となっている。また、今後リリースされる予定の次期バージョンでは、スクリプトなど内部仕様が大きく変更されるという。

 Blogツール「Blogn」(ぶろぐん)は2日、次期バージョンにあたるv2.0.0、正式名称「BlognPlus」をクリスマスリリース予定と発表した(12月2日既報)。その後、12日に進捗状況を公開、18日にはBlognPlusテストサイトを公開し、24日にBlognPlusがリリースされた。しかし、公開直後にサーバ環境によるトラブル報告が相次ぎ、バグフィクスバージョンが公開された。現在の最新バージョンは、27日に公開された「BlognPlus(ぶろぐん+)v2.0.2」。まだ残っているバグフィクスに関しては、今週以降に対応する予定という。なお、「Blogn」は20日にBlognPlus移行用修正版としてv1.9.0がリリースされている。

2004年後半のBlog界を振り返ってみると

 さて、最後に「dev blog/CMS」がスタートした7月からのBlog界をざっと振り返ってみたい。

 7月は、サービスダウンが目立った。やはり、「JUGEM」の正式版移行に際する長期ダウンだろうか(7月16日既報)。

 8月は、コメントスパムに対する対応が、Blogサービスから表面に出てきた。8月4日に報じた「Seesaaブログ」や、8月23日に報じた「ココログ」などの動きだ。

 9月は、Blogからその書籍化といった動きが目立ち始めた(9月24日に報じた「AutoPage」など)。また、悩みの種である高負荷問題はいまだ解決の糸口が見えない。

 10月は、災害時におけるとBlogの利用に注目が集まった。これは、その後も続発した災害における対応にも繋がっている。そして28日、ついにヤフーが「ジオログ」をスタートさせたのもビッグニュースだった(11月1日既報)。

 11月は、商用Blogサービスの在り方といったものを問いかける出来事があった。それは、Blogの著作権にまつわる一連の騒動(関連コラム)。ひとつのBlogサービスから勃発したこの問題は、それまで特に触れていなかった複数のBlogサービスにも飛び火、それぞれが著作権に対する立場を表明するに至ったのだ。また、11月は既存システムを利用した新サービスのスタートも目立った。

 12月。これまで提供されたサービスにプラスαするものが目立った月だった。そして2005年のBlog界はどのような方向に向かっていくのか、じっくりと見守っていきたい。

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