Dell、SaaS企業Boomi買収でクラウド戦略を強化

Dellが買収するBoomiの「AtomSphere」は、企業のクラウド採用の障害となっているオンプレミスアプリとクラウドサービスの統合をサポートし、Salesforce CRMやNetSuiteなどのSaaSサービス間の接続を簡易化する。

» 2010年11月04日 07時16分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Dellは11月2日(現地時間)、SaaSプロバイダーの米Boomiを買収することで合意に達したと発表した。買収総額などの詳細は公表されていない。

 Boomiは2000年創業の米ペンシルベニア州バーウィンに拠点を置く非公開企業。異なるSaaS製品間やデータセンターのオンプレミスアプリとクラウドアプリを統合し、データ交換を可能にするサービス「AtomSphere」を提供している。同サービスは、Oracle E-Business Suite、PeopleSoft、SAP ERP、NetSuite、Microsoft Dynamics CRM、Salesforce、Lotus Notesなどに対応している。同社によると、月当たり数百万のトランザクションを処理しており、これまでに幅広い業種の数百企業において数万のクラウド統合を手掛けたという。

 Dellはこの買収で、企業のクラウド移行の障害となっている既存のアプリやデータベースとクラウドアプリの統合という課題を解決する機能を同社のクラウドポートフォリオに加える。Boomiの競合である米Cast Ironは、5月に米IBMに買収されている。

 DellはPC事業から企業向けサーバ事業へとシフトしており、クラウド関連企業の買収を続けている。7月には米Scalentと米Ocarina Networksを買収し、8月には米3PAR買収を発表したが、米Hewlett-Packard(HP)に競り負け、断念している。

企業向け情報を集約した「ITmedia エンタープライズ」も併せてチェック

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ