NTTドコモは6月1日、FOMA 900iシリーズの新機種「N900iS」「P900iV」「F900iT」を発表した。今年2月から順次投入してきた900iシリーズの派生モデルとなる。非接触ICチップFeliCaは内蔵していないが、独特な機能の採用が目を引く。
N900iSは「N900iのデザインをベースにして、特徴のあるカラーを追加したバージョンアップモデル」iモード企画部のサービス戦略マーケティング担当主査増田智子氏)。F900iTとP900iVは、ハイエンド機種となり、販売価格も高めとなる模様。各機種とも発売日は未定。
それぞれ大きな新機能の追加はなく、サービスは900iシリーズを継承。端末独自の機能追加がメインとなる。
50xシリーズは、ある程度機能を統一し、春にi、秋にiSという投入サイクルだった。900iシリーズでは、「ユーザーのニーズが多様化しているので、スタンダード機だけの供給は難しくなっていく。機能特化型の端末も順次投入していく」(増田氏)と、モデルの多様化を図っていく。
N900iS(NEC製)は、「誕生祝い」などのデコメールテンプレートを20種類内蔵したほか、デコメールのユーザーインタフェースも向上した。日本語入力機能「T9」も強化され、「N506i」のようにダイレクトに漢字候補を選択できるようになっている。ターゲットは「赤、ピンクといった特徴のある色。個性的なモデルを求める人にお勧めしたい」(増田氏)。
P900iV(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)は、独特のヒンジ形状で話題を呼んだ「P2102V」を模したムービースタイル端末。195万画素のCCDカメラをヒンジ部に横向きに搭載した。動画撮影機能も強化され、P900iの約3倍の解像度となるQVGAサイズでの撮影が可能。
「AV機器に興味を持つ男性がターゲット。(P2102Vは)子供の様子を動画で残したりと、意外に主婦にも人気だった。幅広く女性層も狙っていけるのではないか」(増田氏)。新カスタムジャケットが登場する「P900i」も併売される(6月1日の記事参照)。
F900iT(富士通製)は、メインディスプレイにタッチパネル液晶を採用し、Bluetooth機能も内蔵した端末。タッチパネルは同梱のスタイラスで操作でき、画面に書き込んだ画像をメールに添付することもできる。
KDDIはBluetooth内蔵端末を投入しているが、ドコモが内蔵の音声型携帯を出すのは初めて。Bluetoothヘッドセットも別途用意する。各種機能を盛り込んだことで、厚みは32ミリ、重さは154グラムと大型化した。カメラは128万画素CCDを採用した。
900iシリーズは、これまで「F900i」「N900i」「P900i」「SH900i」の4機種が発売されており(2003年12月18日の記事参照)、5月31日付けで契約数も400万を突破した。今回3機種を追加することで合計7機種となる。開発中の「D900i」(三菱電機製)のほか、非接触ICチップFeliCaを内蔵した、900iCシリーズも、近々投入する予定(3月24日の記事参照)。
3機種の主なスペックは以下の通り。
製品名 | N900iS | P900iV | F900iT |
---|---|---|---|
製造元 | NEC | パナソニック・モバイル | 富士通 |
連続通話時間(テレビ電話時) | 140分(90分) | 150分(90分) | 140分(100分) |
連続待受時間(静止時) | 430時間 | 500時間 | 450時間 |
サイズ(幅×高さ×厚み) | 48×26×102ミリ | 50×27×102ミリ | 53×110×32ミリ |
重さ | 115グラム | 138グラム | 154グラム |
メイン液晶 | 2.2インチ6万5536色QVGA TFT液晶 | 2.4インチ26万色QVGA TFT液晶 | 2.4インチ26万色 TFT液晶 |
サブ液晶 | 0.9インチ 4096色STN液晶 | 1インチ4096色STN液晶 | 1インチ3色有機EL |
カメラ | 100万画素スーパーCCDハニカム | 195万画素CCD | 128万画素CCD |
カラー | レッド/ピンク/ブラック/シルバー | シャンパンゴールド/クラウドブラック/ブロンズオレンジ | ブラック |
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