日本もようやく、Bluetooth元年?

» 2004年10月07日 17時34分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 日本では、毎年“今年こそ”といわれながら、普及の兆しが見えてこなかったBluetooth(2003年1月の記事参照)。2004年も終わりに近づいた今、ようやく“Bluetooth元年”の気配が見え始めた。

 アジアを「Bluetoothテクノロジーの重要な市場」と位置づけるBluetooth SIGは、アジア太平洋地域を担当するオフィスを香港に開設すると発表。マーケティング・プログラムマネジャーのエリック・シュナイダー氏をシニアマーケティングマネージャーに据え、アジア諸国のメンバー企業のサポートやブランディング、アジアに特化したマーケティング活動を行う。

 オフィス開設に伴って、マーケティング・ディレクターのアンダース・エドランド氏とマーケティング・プログラムマネジャーのエリック・シュナイダー氏、エグゼクティブ・ディレクターのマイク・フォーリー氏が来日。日本のBluetooth市場の現状や課題、アジア地域への期待について話した。

 左からエグゼクティブ・ディレクターのマイク・フォーリー氏、マーケティング・ディレクターのアンダース・エドランド氏、マーケティング・プログラムマネジャーのエリック・シュナイダー氏

改正道交法と携帯電話が後押し

 シュナイダー氏は、この6カ月に認定を受けたBluetooth機器290製品のうち、54製品が日本製品であることを例に挙げ「全体のおよそ2割がこの6カ月間に日本から上がってきている。Bluetoothの市場で、日本はかなり強力なプレイヤー」だと期待を寄せる。

 背景にあるのは、日本のBluetooth市場を牽引するといわれてきた、携帯電話や自動車への搭載が見えてきたことだ。Bluetoothを搭載した携帯電話は、ソニー製の「C413S」以来、約3年ぶりに「A5504T」(5月14日の記事参照)が登場。6月にはドコモが「F900iT」を発売、9月にはボーダフォンがBluetoothを装備した3G端末4機種を発表するなど(9月22日の記事参照)、主要キャリアが次々と対応端末をリリースした。

 Bluetoothを採用した携帯電話が市場に出回ることでユーザーに浸透するとシュナイダー氏は見ている。「ダイヤルアップ通信やイメージング、自動車のハンズフリーなどから用途が広がる。高画素の携帯も出てきており、撮った写真のプリント用途も期待できる」(シュナイダー氏)。

 11月から施行される改正道交法も普及を後押し(6月8日の記事参照)。施行日のアナウンス以降、Bluetoothヘッドセットをリリースするメーカーも出始めた。

 今後のBluetooth製品で同氏が期待するのは、音楽やゲーム機器。「高品質なオーディオストリーミングに対応する機器が出てくれば、ワイヤレスヘッドホンやスピーカーの需要が再認識されるのではないか。ゲームもピア・ツー・ピアでもいいし、別のデバイス間で通信するのもいい。来年には日本のBluetooth製品リストに、オーディオヘッドフォンや音楽デバイス、ゲーム機も含まれてくるだろう」(同)。

 同氏は、2003年には17%にとどまったアジア向けBluetooth機器の出荷台数が、2008年には30%まで伸びると予測するIMSリサーチのデータを挙げ、アジア地域でのBluetooth市場の拡大に自信を見せる。

 「(アジアオフィスの開設で)メンバー企業と、より多くのコミュニケーションを図れるようになる。それぞれの地域においても、もっと私たちの方からメッセージを発信していくことで出荷台数は伸ばせると考えている」(同)。

3倍速い「enhanced data rate」、仕様策定間近

 シュナイダー氏は、電送速度が従来の3倍になるというBluetooth 1.2の追加仕様「enhanced data rate(EDR)」について、「1〜2カ月の間で最終的な詰めが終わっていくだろう」と話した。

 現状Bluetoothの最大電送速度は最大721kbps。EDRでは、約3倍の2.2Mbpsに高速化されながら、従来より低消費電力で駆動、Bluetooth 1.1や1.2との下位互換性も確保される。「マウスやキーボードなど、レスポンスの速さが求められる製品では、遅延が少なくなる」(シュナイダー氏)など、用途の拡大が見込めるという。

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