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» 2004年10月14日 16時29分 UPDATE

イー・アクセス、1.7GHz帯に参入表明

総務省がモバイルの新規参入用として割り当てを検討している1.7GHz帯で、イー・アクセスが名乗りをあげた。

[杉浦正武,ITmedia]

 イー・アクセスは10月14日、1.7GHz帯を利用してモバイル事業に新規参入すると表明した。通信方式にはFDD方式を採用。イー・アクセスはFDD方式の実験局免許を持っていないため、これから実験免許の取得を含め本格的な検討に入るという。

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 1.7GHz帯は、総務省がモバイルの新規事業者向けに割り当てを検討している帯域(の9月30日の記事参照)。イー・アクセスの千本倖生社長は、帯域が開放される可能性があると分かった9月30日に、アクションを起こしたと話す。「総務省に出向いて、参入意思アリということを伝えた。本日、改めて書面でも表明している」。

 同帯域を利用して、モバイルデータ通信サービスを提供する計画。W-CDMA方式か、CDMA 2000方式かは検討中だ。

 同社はTDD方式のTD-SCDMA(MC)で実験を重ねてきたが(6月14日の記事参照)、これとは別にFDDでもサービスを開始する。両サービスの違いは現時点では不明で、似た内容になるもよう。どちらもワイヤレスブロードバンドサービスであり、データ通信主体だが、音声通話も行えるようになる見込みだ。

新規参入は「信頼できる事業者に」

 千本社長は、移動体通信は7兆円もの巨大なマーケットだと、その魅力に言及する。

 「この巨大なマーケットを、(携帯主要キャリア)3社だけである意味占有している。こういうことに関しては、孫さん(ソフトバンクの孫正義社長)の新規参入の考え方はサポート(支持)できると思う」

 千本社長は、1.7GHz帯開放の動きを歓迎すると共に、新規参入の検討プロセスは透明かつ公正にすべきだと強調。また、参入できるのは完全な“新規事業者”にすべきだともコメントした。

 「ドコモの関係会社も手を挙げているようだが、これには徹底的に反対する。『新規参入もどき』はやめてもらいたい。野球でいうと、ライブドアとか楽天のような企業が新規参入すべきで、読売がいるのに報知新聞も参入するようなものだ」

 免許取得に必要な要件は、健全な財務基盤、それに高い信頼性も求められると千本氏。

 「いろんな意味で、情報のリーク(漏洩)があったとか、お客さんに迷惑をかけたとか」。適格性からして、そういうことがない事業者を選定すべきだとした。

800MHz帯は「余地ないと聞いている」

 1.7GHz帯に参入を表明した同社だが、ソフトバンクがこだわっている800MHz帯には興味はないのだろうか。

 「800MHz帯には、新規参入の余地がないと聞いているので関心がない。総務省の方針は、私が理解する限り『再編』であり『新規参入』(を募る)というフレームワークではない」

 同氏は併せて、ソフトバンクが行政訴訟を起こした(10月13日の記事参照)ことを念頭に、「訴訟という手法がはたして適切なのか」とチクリ。

 「(ソフトバンクは)弊社のCTOを個人として訴えるようなことをやって、そして取り下げるという非合理なことをしている(2002年10月1日の記事参照)。訴訟を起こしてすべてを解決しようというのは、正しいやり方とは思わない」

TD-SCDMA(MC)の進捗状況も

 会場では、TD-SCDMA(MC)実証実験の進捗状況も報告。音声端末のプロトタイプが披露されたほか、複数のセルを用意してハンドオーバー試験/干渉試験(6月14日の記事参照)などを行っていることが紹介された。

Photo 音声端末のプロトタイプ。「どう仕上げるかは、まだ分からない」(同社)とのこと

 実験では、セル間のハンドオーバーは問題なしとのこと。隣接する基地局との干渉実験にしても、干渉なしの場合で4.40Mbps、ありの場合で4.06Mbpsを記録し「干渉の差分は8%。干渉環境下でも高いパフォーマンスを出す」ことを確認した。

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