地デジやモバイル放送への対応も視野に〜ザウルスの今後

» 2004年10月15日 17時37分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 上からはPCに、下からは携帯電話からつつかれているPDA。どこに存在意義を何に見いだすかが課題ともいわれる中、ザウルスの出した回答はHDDの内蔵だった(10月15日の記事参照)

 「SL-C3000」発表会に、シャープ情報事業部の中川博英氏が登場。ザウルスの現状と今後の進化の方向性について話した。

 1993年に最初の製品が登場して以来ザウルスは、OSやボディ形状、機能などを、その時代に合ったかたちに進化させながら製品を開発してきたと中川氏。しかし一方で、PCも小型・薄型・軽量化が進み、携帯電話も高度なマルチメディア機能を備えるようになった。さらに映像や音楽の専用プレイヤーも出てくるようになり「PDAは若干、影が薄くなってしまった」(中川氏)。

 こうした状況の中、ポイントとなるのは「手のひらで“3つのC”を実現すること」だと中川氏は説明。3つのCは、Communication、Contents、Computingだ。ザウルスは、PCに比べて起動が速く可搬性に優れており、携帯に比べると高解像度な液晶やさまざまな通信インフラに対応できる点がメリットになる。この優位性に大容量ストレージを加えることで、PCや携帯電話のデメリットを補う機器として、存在意義を確立できるという考えだ。

 4GバイトのHDDがあれば、メールの送受信時に添付データの容量を気にする必要もなくなり、PCからのデータ移動時にも、「ファイルを選んで入れる」という手間が省ける。また音楽や動画ファイルをたくさん入れられるので、iPodのように使うことも可能だ。「システム液晶や本格キーボードがザウルスの魅力。これにHDDを追加することで、大容量データを手のひらで扱えるようになる」(中川氏)。

 中川氏は、ザウルスの今後の方向性についても言及。DLNA(デジタル・ リビング・ ネットワーク・ アライアンス)への対応や(9月3日の記事参照)、1セグメント放送、モバイル放送などの放送インフラへの対応を視野に入れているとした。

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