おサイフケータイ普及の鍵は価格、サービス、セキュリティ――サイバーブレインズ調査

» 2004年11月01日 16時28分 公開
[ITmedia]

 サイバーブレインズは10月29日、同社自主調査規格「121トレンドレポート」として「『おサイフケータイ』の認知と利用意向」の調査結果を発表した。

 同調査は、非接触IC技術「FeliCa」搭載携帯電話(通称「おサイフケータイ」、関連記事)の認知と利用意向を明らかにすることを目的としたもの。調査対象は全国16〜59歳の男女500人。

 これによると、「おサイフケータイ」の認知度は、「内容までよく知っている」は5.8%にとどまったが、「内容が大体わかる」と答えた41.4%を加えると、ほぼ半数の人が認知していることがわかった。

 性別で見ると、女性よりも男性で認知度が高い傾向を示し、とくに男性20歳代では「内容までよく知っている」が18.0%と最多だった。また、「名前だけは知っている」は各年代で男性が30〜40%であるのに対し、女性は40〜50%と10ポイントほど高かった。「名前も知らない」層は、男女ともに20歳代でもっとも少なく、年代が上がるにつれて割合が増した。

 「おサイフケータイ」の認知されている特徴を複数回答形式でたずねたところ、「店舗での支払ができる」が83.6%でもっとも多く、次いで「自動販売機での支払ができる」(55.9%)と、「支払い」の手段として認知が進んでいるようだ。この質問では、性別および年代別による大きな差は見られなかった。

 その他の機能が同等で、「おサイフケータイ」機能を搭載する端末と、搭載しない端末を比較した場合、45.6%の人が「同じ価格ならば」購入すると答え、価格差が大きくなるほど、「おサイフケータイ」機能搭載端末を購入したいとする割合は減少した。価格にかかわらず「おサイフケータイ」機能搭載端末を「購入したくない」という人も33.6%いた。

 性別で見ると、女性よりも男性で「おサイフケータイ」機能搭載端末を選ぶ傾向が強く、また、男女ともに10歳代がもっとも購入意欲が高かった。

 先に調べた「認知度」と「購入意欲」の相関を調べたところ、「3000円程度の価格差ならば『おサイフケータイ』機能付きの方を買う」とする層が、認知度が上がるにつれて増加し、一方「『おサイフケータイ』機能付きの方を購入したいと思わない」層は、認知度が上がるにつれて減少することがわかったという。

 「おサイフケータイ」を積極的に選ばない理由(複数回答)は、「なくしたり盗まれた際に危険だから」が60.1%で最多で、次いで「『おサイフケータイ』の機能は必要ないので」が47.6%だった。

 性別では、「なくしたり盗まれた際に危険だから」や「つい買い物をしすぎてしまいそうなので」は女性の回答が多く、「『おサイフケータイ』の機能は必要ないので」は男性の回答が多かった。また、認知度別では、「内容までよく知っている」層において、「『おサイフケータイ』の機能は必要ないので」と「なくしたり盗まれた際に危険だから」に回答が集中したという。

 「おサイフケータイ」の対応が想定される応用分野の魅力度をたずねたところ、「魅力的だ」の回答が多かったものには、「店舗・施設のポイントカードやメンバーズカードとして」(58.4%)、「交通機関のチケット・定期券として」(56.6%)、「自動販売機での支払い」(53.8%)、「店舗での支払い」(52.2%)などがある。

 「おサイフケータイ」の認知されている特徴と、その魅力度は必ずしも比例関係にはないようで、「店舗・施設のポイントカードやメンバーズカードとして」は認知度が低かったにもかかわらず魅力度で高い割合を示した一方、「マンション等の鍵として」は認知度も魅力度も低かった。

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