町のお店にも簡単にポイントカードを〜「FeliCaポケット」(1/2 ページ)

» 2004年12月13日 20時23分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 ソニーは12月13日、ポイントカードやクーポン、会員証、チケットなどを簡単に提供できる汎用サービス「FeliCaポケット」を発表した。独自にシステム設計やアプリ開発をしなくても、店舗は対応端末と設定カード(後述)を購入するだけで好みのサービスを開始できる。

 対応リーダー/ライターは三和ニューテックより2005年2月に発売予定で、5〜7万円程度になる見込み。低コストで導入できるのがメリットだ。

“カードをかざす場所”を、早く安く創出する

ソニー FeliCaビジネスセンター営業部の納村哲二氏

 1997年香港で導入されたオクトパスカードに始まり、2001年開始のEdy(ビットワレット)、Suica(JR東日本)など、FeliCaを利用したカードは広く普及している。しかしこれらの例はすべて大手事業者であり、それぞれ必要に応じた設計、カスタマイズをしているため、相互に利用はできない。

 これに対し、FeliCaポケットは汎用で用いることができるのが特徴だ。店舗は端末と設定カードを購入するだけで簡単に導入でき、複数の店舗で共通カードとして利用することもできる。

 ポイントカード、クーポン(回数券)、会員証(ID機能)、電子チケット、回数券、スタンプラリー、電子マネー(プリペイドタイプ)の6種類の機能の中から、好きなものを選んで使える。各サービスごとに設定カードが用意されており「土日はポイントを2倍にする」「10回分の料金で11回利用できる」「1000円分前払いすれば1100円分使える電子マネー」などといった細かい設定も、端末に設定カードをかざすだけで、簡単に店舗でカスタマイズできる。

 ソニー FeliCaビジネスセンターの納村氏は、FeliCaポケットの目的について「“カードをかざす場所”を、早く安く創出すること、これに尽きる。“場所”を創り出すのには本当にお金と手間がかかる。そこを何とかしたい」

FeliCaポケットで使えるサービス。店舗の求めるサービスをほとんどカバーできるという。「クーポン、ポイント、会員証の3つの機能があれば、小売店のニーズにはほとんど応えられる。ダイエーでもたこ焼き屋さんでも、店舗がやりたいことは同じ」(納村氏)

 すでに導入が決まっている事例もある。札幌市では2005年度より、交通機関の支払いと、商店街や観光地の店舗のサービスを組み合わせたサービスを、FeliCaポケットを利用して開始予定だ。

FeliCaポケット対応カードとおサイフケータイで利用可能

 FeliCaポケットに対応したカードのほか、FeliCa対応iモード携帯電話「おサイフケータイ」(6月16日記事参照)でも利用可能。Suica、Edyといった現在普及しているFeliCaカードではそのままFeliCaポケットを利用することはできないが、FeliCaポケットに対応してもらえるよう交渉を進めているという(その場合、エンドユーザーはカードを交換する必要がある)。

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