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» 2005年01月21日 13時53分 UPDATE

携帯フィギュア、ヒットの裏に秘めた「こだわり」 (1/3)

携帯を縮尺したフィギュアを作る。たわいもないアイデアに見えたが、結果は大ヒットだった。背景には、担当者の「何もそこまで」というこだわりがあった。

[杉浦正武,ITmedia]

 携帯電話の40%スケールのフィギュアを作って販売する――。「Mobile Figure Collection」が発表されたとき、それは一見してたわいもないアイデアにも見えた(2004年9月13日の記事参照)。だが結果は、用意した30万個が即座に完売する大ヒットに。続編も企画されており、今年4月には第3弾が発売される予定だ。

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 開発したのは、フィギュアの製造を手がけるマイタン。中国に工場を持ち、玩具メーカーからOEM受注を受けるなど黒子に回っていた企業だが、今回初めて企画段階から開発に関わった。プロジェクトを一から引っ張った、重戸匡プロデューサーに話を聞いた。

ドコモに「担当部署を作る」ところから出発

 重戸氏は、もともと丸紅で商社マンとして通信事業に携わっていた人物。その後マイタンに転職し、携帯電話をフィギュアにしたら面白いのでは、と今から1年ほど前にドコモに企画書を持っていった。

Photo 東京都にあるマイタンのオフィスにて。携帯フィギュアのほかにも、さまざまなフィギュアを手がけている

 しかし、当時のドコモにはそもそも「自分のところでロイヤリティ(著作権使用料)商売を行う部署がなかった」(同氏)。そのため、ドコモでは社内にそうした事業を行う組織を作るところから始めたという。

 「ロゴ表記はこうするとか、(著作権を扱うにも)こういうケースはダメ、こういうときはこう対応する、などを決めてくれた」

 こうして、実際にドコモからゴーサインが出たのは2004年5月のこと。しかし、ドコモの了解を取り付けても、端末メーカーごとに反応は異なった。

 たとえばメーカーによっては、担当者がアイデアを気に入らずNGになることもあった。OKが出ても、デザインに細かく注文をつけてくるメーカーもあった。マイタンは当初、40%スケールのデザインを手作りで行ったが「これではダメ」とボツになることもしばしばだったという。

 「一番ボツが多くて大変だったのは、パナソニック モバイルコミュニケーションズ(笑)。しかし、メーカーが端末のどの部分にこだわりを持っているか分かって、面白かった」

 試行錯誤を経て、Mobile Figure Collectionが世に出たのは2004年9月のこと。直後、Yahoo!ニュースに取り上げられ、大きな反響を集めることになる。

 「Yahoo!JAPANに掲載されたあと、うちのサーバへのアクセスは58万にも達した。実は、そこまでカウントした時点でサーバが落ちてしまった」

発売後2週間で完売

 実際に発売してみると、パッケージとして用意した30万個は、わずか2週間で完売した。フィギュアをカプセルに入れて販売する“ガチャガチャ”形式では、さらに34万個を売り上げた。

 「10万個いけばヒットといわれている業界で、合わせて64万個という、奇跡的な数字になった。特にガチャガチャでの販売では、新記録を樹立したようだ」

 雑誌などに積極的に広報活動をかけたが、それとは別にテレビで取り上げられることも多かった。先日も、タレントの吉岡美穂さんが持っていると紹介されていたと重戸氏は笑う。

 この成功もあって、メーカー側からコラボレーション企画を持ちかけられることも増えた。例えばマイタンは「P900i」向けに、「カスタムジャケットのフィギュア」も用意している。

 「公表していなかったが、“シークレット”の要素としてP900iフィギュアのカスタムジャケットは取れるように設計してある」

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