イマドキの女子高生は、携帯で詩をうたう

» 2005年01月26日 16時18分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 現代の若者は、携帯ばかりいじっていて活字離れが進んでいるといわれる。だが中には携帯を利用して、詩を書いたり、小説を書いたり、「万葉集」の和歌に親しんだりしている女子高生もいるようだ。

 携帯向けコンテンツプロバイダのボルテージは、10代のユーザー向けに「恋&詩♪10代トーク」などを提供している。同サイトでは、1日に130作品を超える詩が投稿されるとのこと。どんな雰囲気なのか、担当者に話を聞いてみた。

「携帯ならではのフォーマット」で詩作

 恋&詩♪10代トークは、ユーザー同士が情報交換したり、恋愛相談したりできるサイト。EZwebとボーダフォンライブ!で提供中で、両サイトを合わせた延べ会員数は10万人を超えている。ユーザーアンケートによれば、全体の23%が中学生。高校生が36%、専門学生/大学生が10%で、無回答が29%といった内訳になっている。

 メインコンテンツは、読者からの投稿。「中でも人気があるのが、詩を扱う『ティーンズの詩』」(広告グループの中村芙美子氏)だという。内容はさまざまだが、やはり恋愛関連の詩が多いようだ。

 「愛」

 壊れそうな愛だった
 きっとこのままじゃ
 駄目になることだって
 分かってた
 だけど
 なにもできなかった
 (中略)
 逃げて
 諦めて
 弱音はいて
 カタチだけじゃ
 駄目になること
 分かってたのに

*サイトより抜粋

 彼女たちは、携帯の画面上で詩を書きつづり、それをそのまま投稿してくる。携帯で読まれる詩だから、行間などにも凝っていると中村氏。上の作品も、行間を多くとることで“間”をとっている。「スクロールしないと次が読めないよう、言葉を並べたりしている」

 サイトでは、いいと思った詩に肯定的な評価ポイントをつけることができる。これにより、殿堂入りする詩なども出てくる仕掛け。興味を持ったユーザーは、何度も投稿してくるという。

 ボルテージでは、やはり10代の女性向けに「100シーンの恋」というサイトも運営している。こちらはショート・ショートの小説とイラスト待ち受けを配信するサイトだが、ここでも小説の投稿を受け付けている。

 「原稿用紙に向かうより、携帯で小説を書くほうが簡単なようだ。びっくりするような長文を送ってくる」(笑)

 全体的には、純愛系のストーリーが人気。「やはり恋に恋する年代。“セカチュー”(世界の中心で、愛を叫ぶ)のように、登場人物が死んでしまう話が人気がある」という。

携帯で和歌を詠む女子高生

 もう1つ、ボルテージが注力しているのがメッセージ付き待受サイト「恋ノウタ」だ。こちらは画像に一言メッセージや、恋の格言などを添えて待受画面として配信するサイトだ。3キャリア対応で、延べ会員数は17万3500人。

 興味深いのが、サイトタイトルにもなっている「恋ノウタ」。これは、万葉集に収められている和歌を、その現代語訳と一緒に提供するというもの。角川文庫で同じコンセプトの文庫本「Remix万葉集 恋ノウタ」が発売されており、その携帯版との位置付けになる。

Photo

 たとえば、「恋ひ恋ひて 逢える時だに 愛しき 言尽くしてよ 長くと思はば」は、以下のようになる。

 「恋しくて恋しくて やっと逢えたそのときは くりかえしくりかえし 愛してると言って ずっと私といたいなら くりかえしくりかえし 君だけと言って」

 「高校生が、万葉集(の待受画面)なんかを欲しがるかな? と思ったが、想像以上に人気がある。素直な気持ちが共感できるようだ」(コンテンツ制作・運営グループの渥美恭子氏)。和歌という古風な文化も、とっかかりがあれば“おしゃれ”と感じるようだという。

Photo (C)ボルテージ さりげない一言を、待ち受けにしたものも人気があるという。「最近、手書き風の字体が重要なポイントだと分かった」(渥美氏)

 ユーザーが自分で和歌を詠み、それを投稿することも可能。「『帰るね』と 毎夜決まってわざと言う 『行くな』の一言 聞くためだけに」といった具合だ。こうした和歌も、それぞれ画像を付けて配信される。

 「自分の感情に合った画像を、付き合っている人に送ったりしているようだ。携帯で気持ちを伝えるために、絵文字やギャル文字などが生まれたが、その延長に(和歌の待受画面などが)あるのでは」

 中村氏は、ボルテージが運営するサイトのユーザー全体に言えるのは、一昔前の「文学少女」といったウェットな雰囲気が少ないことだという。

 「小説を投稿してくるユーザーなどは、多少文科系のにおいもするが、湿ったところがない。むしろ、キャピキャピしたところがある」とした。

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