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» 2005年06月22日 13時58分 UPDATE

「まだ満足していない」──Symbian新CEOが来日

ハイエンド携帯向けOSとして急成長を遂げるSymbian。新CEOのクリフォード氏は、さらなる成長を求めると共に、日本市場がそのカギだとした。

[斎藤健二,ITmedia]

 「われわれはまだ満足していない。まだ、これから伸びていく市場の出発点にいる」

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今後は、「ローコストな端末にもSymbianを使おうと考えている」とクリフォード氏

 6月22日に英Symbianの新CEOナイジェル・クリフォード氏が来日。記者会見でこのように話した。Symbianが開発するSymbian OSは、ハイエンド携帯電話向けのOSとして採用数が急速に伸びている。

 2005年の第1四半期は、全世界で675万台のSymbian OS搭載端末が出荷された。前年同期比で180%の成長となる。フィンランドのNokiaをはじめ、英Sony Ericsson、米Motorola、韓国のSamsungとLG、台湾のBenQなどがSymbian OS搭載端末を投入している。販売中の製品数は48に上り、41の製品が開発中となっている。

 この成長をさらに加速するために、クリフォードCEOが重視しているのが日本市場だ。「(世界で見ても)3G端末の多くはドコモとボーダフォン。日本を、われわれの成功のカギと見ている」

MOAPで開発期間短縮──ドコモと富士通

 ハイエンド携帯電話のメイン市場である3G端末は、現在のところほとんどが日本市場向けだ。「Symbian搭載の3G携帯は、かなりの部分が日本向け。ヨーロッパがこれから立ち上がる状況」だと、日本法人シンビアンの久晴彦社長は話す。

 国内メーカーでは、富士通と三菱がSymbian OSを使ったFOMAを提供しており、その数は計11機種に上る(6月15日の記事参照)。いずれもドコモがFOMA向け仕様として策定した「MOAP」(Mobile Oriented Applications Platform)に沿ったものだ。

 「ドコモはモバイル向けのプラットフォームとしてMOAPを構築している。これにSymbianも協力している」(久氏)

 MOAPは、いわゆるSymbianのUIプラットフォームよりも広い範囲を規定するもので、「Symbian OSと合わせるとFOMAのかなりの部分ができあがる」(久氏)という標準仕様だ。ドコモはSymbian OSとLinuxについて、こうした標準仕様を策定済み(2003年12月3日の記事参照)。FOMA開発メーカーでは、NECとパナソニック モバイルがLinuxを採用している。

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Symbian OS端末は、コアとなるSymbian OSの上に、各種のUIプラットフォームが乗ってできあがっている。NokiaのSeries 60/80や、Symbian子会社のUIQ Technologyが提供する「UIQ」が有名だが(6月20日の記事参照)、国内ではドコモ仕様のUIプラットフォームが使われている

 SymbianとMOAPを使うことで、富士通のFOMA開発速度は確かに早くなっている。「ほとんどのFOMAシリーズで富士通が最初に出している。1年間に5機種というすごいスピード」だと久氏。

 今後は、シャープやソニー・エリクソンもSymbian OSを使ったFOMA端末を投入する予定だ(2004年11月29日の記事参照)。「現在開発が順調に進んでおり、将来素晴らしいFOMAがシャープさんからも出てくるだろう」(久氏)

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“オープン”なOSであるSymbian OSでは、ウイルスなどマルウェアの脅威も存在する。しかし「PCと同じようになってしまっては、インフラを担えない」と久氏。Symbianは、「Symbian Signed」という認証システムを用意し、署名の状況によってアプリケーションがアクセスできるソフトウェアのレベルを制限する仕組みを盛り込んでいる。「(将来ドコモプラットフォームもオープンになる可能性があるという)将来的なことを考えて、ドコモも公的に賛同している」(久氏)


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