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» 2005年10月27日 17時02分 UPDATE

J:COMとウィルコム、PHS参入で一致した思惑 (1/2)

J:COMが、ウィルコムから回線提供をうけてPHS事業に乗り出す。背景には、将来のFMC戦略を見据えた両社の思惑があった。

[杉浦正武,ITmedia]

 既報のとおり、ケーブルテレビ局統括運営会社としては最大手のジュピターテレコムが、ウィルコムの回線を利用してPHS事業に参入すると発表した(10月27日の記事参照)。年内にサービスの仕様を固め、来年3月から提供を開始する。サービスの名称は「J:COM MOBILE」(仮称)。

 J:COMは既にテレビ、電話、インターネット接続の3つのサービスを“トリプルプレー”で提供して、約200万世帯の加入を抱えている。新たにJ:COM MOBILEを加えることで「トリプル+ワンのグランドスラム(満塁ホームラン)サービスを提供する」(森泉知之CEO)。

Photo 握手する両社代表。左から、ウィルコムの八剣洋一郎社長、ジュピターテレコムの森泉知之CEO

 J:COM MOBILEでは、月額2900円の「ウィルコム定額プラン」をベースにした定額通話を提供する。J:COM MOBILEユーザー同士が音声定額になるのはもちろん、ウィルコムユーザーとも特に申し込みの必要なく定額通話が可能。J:COMが既に提供している各種サービスとのセット割引を用意するほか、請求書を一本化する。さらに固定電話サービス「J:COM PHONE」との通話時には、定額通話も視野に入れつつ優遇料金を導入する予定。

 端末は、ウィルコムが11月から市場に投入予定の新機種を採用する予定だが、今のところ詳細は未定という。「J:COMさんには、設立予定の『WILLCOMコアモジュールフォーラム』にも加入していただく。そうした意味では、J:COMさん独自の(W-SIM搭載)端末もあり得る」(ウィルコムの八剣洋一郎社長)

Photo 料金体系。通信サービスはAIR-EDGEをベースにしたものになるという
Photo 会場で示された採用端末。詳細は未定だ

回線卸売りで素早く事業展開

 今回の契約では、ウィルコムがJ:COMに回線を卸売りする方式をとった。ただし、ウィルコムが従来提供していたMVNO(用語参照)とは若干異なる形式だという。

 「従来は、バンド幅を売ってその中で何回線利用しようとかまわない、という方式。今回は1つ1つの回線を売るかたちだ」(八剱氏)。つまり、帯域を丸ごと売って利用法を任せるのでなく、ある程度“ウィルコム仕様”の回線を提供することになる。「その意味では、Co-Brand(共同ブランド)に近い」。J:COMがこの方式を選択することで、一から事業を立ち上げるよりも素早い事業展開を図れるという。

 ネットワークの接続を考えた場合、J:COM MOBILE―――ウィルコム間はほぼ同一ネットワークだから定額化に何の問題もない。ただJ:COM MOBILE――J:COM PHONEをつなぐには、通常のNTTの地域網を通って接続する。NTTへのアクセスチャージが必要になるから、この部分を定額化すると赤字に陥る可能性がある。

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