2つの写真を重ねたように撮れてしまったのが分かるだろう。おそらくブレが大きくて、補正できなかったのだ。ただ、こんなヘンなズレ方をして撮れてしまったのはコレだけで、わざとこういうのを撮ってみようと再現を試みたのだが上手くいかなかった。どうやら、何かの具合でたまになるようだ。
光学式手ブレ補正だと常時オンにしても写りに影響はないが、ソフトウエアによる補正はこのようなデメリットが出ることがある。また、手ブレ補正処理には約2秒かかる。というわけで、上手くいったときの効果は大きいけれども、普段はオフにしておき、暗いときなど手ブレ補正が心配な場合にオートで撮るのが賢明かもしれない。
さて、それ以外の話も。
N902iのカメラは背面に付いているので、端末を開いたまま縦方向に持って撮ることになる。いわゆる“ケータイスタイル”。この状態で、ディスプレイには横位置で構図が表示される。その分ちょっと小さいのだが、いちいち端末を横向きで持たなくてもいいことと、上下にスペースが余るのでそこにいろいろ表示できるのがメリットだ。ケータイは開いたまま縦に持って撮る方が自然でいいと思うので、このスタイルは個人的に好きだ。
カメラの起動は約2.8秒とまあまあ。miniSDに自動保存する場合、4Mモードの高画質で撮ると撮影〜記録に約16秒かかる。ただここにはAFにかかる時間(約1.4秒)と手ブレ補正処理処理の時間(約2秒)が含まれている。同様の条件で、2Mモード(UXGA)だと約12.5秒、VGAだと約9秒。もうちょっと速いとうれしいかもしれない。
撮影時のセッティングはメニューから行うのだが、メニューリストを表示する機能メニューのほかに、よく使う機能をダイレクトに呼び出せる「撮影メニュー機能」がある。左上のキーを押すとメニューモードに入り、カメラモード・撮影サイズ・画質・撮影モード・明るさ・ホワイトバランスのそれぞれを十字キーで軽快に選んで設定できる。これはなかなかいい。
撮影モードにはオートのほか、「ポートレート」「風景」「接写」「スポーツ」「ナイトモード」が用意されている。いわゆるマクロモードはなく、7〜9センチの超近距離で撮りたいときは撮影モードの接写を使うという仕様だ。それ以外は通常のAFでピントが合うので問題ない。
N902iが面白いのは、見た目は本当に普通の端末で“カメラ機能を重視しました”という雰囲気がないところ。撮るときも普通に端末を立ててボタンを押すだけなのに、実は400万画素という何気なさ。画質面もD902iに比べるとざらつきはあるけれども、素直な作りで悪くない。豊富な機能を楽しむのならD902i、シンプルに使いたい人ならN902iといたところか。
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