「070定額」に「トリプル定額」も――携帯業界、こんな商標出願

» 2006年03月24日 15時35分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 携帯業界は、日々さまざまなサービスが生まれる。それらの商標をしっかり押さえておかなければ、あとあとの事業に支障をきたす恐れもある。

 特許電子図書館で調べてみると、携帯キャリアはさまざまな商標の出願を行っている。目に付いたものをまとめた。

ウィルコムの「070定額」

 ウィルコムが商標出願しているのが「070定額」(商標では070は全角)。呼称はゼロシチゼロテーガクで、出願日は2006年1月31日となっている。070といえばPHSの頭につく文字列だけに、「PHSならではの定額サービスが始まるのか」と一部で期待をふくらませるユーザーもいるようだ。

 実際に、そのようなサービスが始まるのか。ウィルコムに問い合わせてみると、「そういうサービスをやるかどうかは全く未定。商標を使うか、使わないかは別として、第3者に先に登録されないように出願した」とのコメントだった。

 第3者に先に使われないように……という主張は、実は一定の説得力がある。新サービスの商標がほかの事業者に事前に登録されていた場合、訴訟問題に発展する恐れもあるからだ。実際、エムティーアイ(MTI)が「すごメロ取り放題」という名称で着メロサービスを運営していたが、角川ホールディングスが既に「スゴメロ」の商標権を持っていたことから3億9000万円の損害賠償を求められたという事例もある(3月23日の記事参照)

 “定額”という名称を使った商標としてはほかに、KDDIの「トリプル定額」などもある。登録日は2004年6月で、これをよく見ると同社が「ダブル定額」を商標出願した時期と同じ。商標登録日は、いずれも2005年1月28日となっている。KDDIが「将来的に使う可能性もあるから、とりあえず出願しておこう」と考えた可能性もある。

2社が同時期に出願した「キッズケータイ」

 携帯にまつわる商標としては、ほかにもさまざまなものがある。NTTドコモは「フルブラウザ」を商標出願したことで話題になったことがあるが(2005年6月1日の記事参照)、最近では「キッズケータイ」を6月2日に商標出願している。

 ところが、タッチの差で5月30日に、バンダイネットワークスも「キッズケータイ」で商標出願している。まだ最終処分がどうなるか決まっていないが、ユーザーとしては成り行きがどうなるかやや興味を引かれる。

 “ケータイ”関連でいうと、「おサイフケータイ」はドコモが商標出願している。ただし、携帯キャリアは各自のFeliCa対応携帯をおサイフケータイと呼ぶことで合意形成している。またKDDIは「カーナビケータイ」を、富士通は「セキュリティケータイ」をそれぞれ商標出願している。

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