前回の「Music Porter II」に引き続き、今回はKDDIの「LISMO」対応端末「W41CA」の音楽機能について紹介する。LISMOは、音楽を楽しむための機能やサービスを集約した「音楽のための統合プラットフォーム」とでもいうべきもので、KDDIは「iPod+iTunesに対抗できるサービス」だとしている(1月19日の記事参照)。
W41CAの音楽機能の根幹となるLISMOに関しては、統合プラットフォーム的と書いたことからも分かるように、KDDIのLISMO対応端末全般に共通する部分が多い。端末側のプレーヤーソフト「au Music Player」は、対応記録メディアの違いや、適用できるエフェクトなどに多少の違いがあるものの、操作体系や見た目はまったく同じ。PC側のソフトである「au Music Port」も全機種に共通したものとなるので、W41CA以外の機種が気になっている人も、LISMOの使い勝手などは参考になるだろう。
W41CAの音楽機能は、主に端末にプリインストールされた「au Music Player」が担う。SD-Audio対応のオーディオプレーヤー機能も引き続き搭載しているが、SD-Audioを扱うためのPC用ソフトが付属しないため、SD-Audioプレーヤーとして利用するには別途SD-Jukeboxを用意する必要がある。
イヤフォンはパッケージに含まれているが、プラグ変換コネクタを介して本体に接続する仕様なので、好みのイヤフォンに変えることも可能だ。外部メモリはminiSDカードが利用できる。USBクレードルを兼ねた充電台が付属していて、PCとの接続もスムーズに行える。クレードルにW41CAを置くと音楽管理ソフト「au Music Port」が自動起動する点には感心した。しかし、データの同期などはしてくれない。
LISMOの特徴は、W41CAに限らずすべての対応機種に、専用の音楽管理ソフトとして「au Music Port」を用意している点だ。
au Music Portは、iTunesやWindows Media Playerなどと同様に、CDのリッピング、リッピングした楽曲の管理、対応機器への楽曲転送といった機能を備える。4月にもオープンする予定の専用音楽配信サービス「DUOMUSIC STORE」にも簡単にアクセス可能だ。また、ダウンロードした「着うたフル」や「着うた」をPCにバックアップする機能も持つ。外部メモリなどに収まりきらない着うたフルデータも保存しておけるので、容量を気にせず着うたのダウンロードが可能になる。まさに、音楽を中心に携帯電話とPCを融合したプラットフォームLISMOの根幹となるアプリケーションだ。
ポータブルオーディオプレーヤーとのスマートな連携を実現する機能としては、iTunesなどですでに一般的な、設定したキーワードに基づいてプレイリストを自動生成する「ダイナミックプレイリスト」が用意される。また、クレードルに端末を置くと、自動的にPCと携帯電話の同期を行なう機能などもある。
携帯電話側の楽曲データを日々アップデートするのに活躍するのは「ダイナミックプレイリスト」だ。アーティスト名やアルバム名、リリース年などに加えて、再生回数や最終再生日といった履歴、そして曲ごとに付けられる5段階評価「レート」などをキーとして、該当する曲だけをリストアップしプレイリストが作れる。キーワードの増減も可能で、複数のキーワードも指定できるため、ほぼ全自動でプレイリストを作成できる。プレイリストに入れる楽曲の最大容量や時間も設定しておけるので、手持ちのメモリー容量に合わせて設定しておくとさらに便利だろう。
プレーヤー機能としては、リピート/ランダム再生、20種類のプリセット+5つのユーザー設定が選べるイコライザーと4つのリバーブ系エフェクトなどを持つ。簡単な再生操作のみが行えるコンパクトモードなどを備える。
またここでは詳しく触れないが、スケジュールの管理機能や、携帯内のメールや写真、動画データをバックアップする機能なども装備し、非常に多機能だ。音楽という点に限って言えば、現状ではコンテンツ管理から購入サービスまでをカバーしているiTunesが優れている。しかし、音楽以外の機能にまで目を向けると、多機能な携帯電話をサポートできるau Music Portは、iPod+iTunesを上回るものがある。
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