ボーダフォンのサムスン電子製端末「804SS」は、外部メモリスロットや赤外線通信には対応していない。そのためデータのやりとりは、ケーブル接続かBluetooth機能を利用することになる。レビューの第5回では、Bluetooth機能の使い勝手を見ていこう。
→「804SS」レビュー(1):ユーザーインタフェース
→「804SS」レビュー(2):基本スペックと外観
→「804SS」レビュー(3):AV機能
→「804SS」レビュー(4):日本語入力
他キャリアの端末と比べて、Bluetooth対応の3G端末が多いのがボーダフォンの特徴であり、804SSもBluetooth機能を備えている。バージョンは1.1で、プロファイルとしてHSP(HeadSet Profile)、HFP(Hands Free Profile)、DUP(Dial-Up Networking Profile)、OPP(Object Push Profile)、FTP(File Transfer Profile)をサポートする。製品に付属するPC用データ管理/転送ソフトの「PC Studio」も、Bluetooth接続による利用が可能。筆者のThinkPad T43に内蔵されたBluetoothでも難なく接続できた。
ただしファイル転送などはUSB接続時の5〜6分の1の速度となり、4Mバイトほどの音楽ファイルの転送には6分以上を要した。Bluetooth接続の利用は、PIMデータの同期やちょっとしたファイル転送用と割り切った方がいいだろう。
ハンズフリーデバイスは、筆者が利用しているプラントロニクスの「Explorer320」(3月8日の記事参照)を試したところ、マニュアルの手順通りで問題なく接続登録を行えた。登録してしまえば、あとはハンズフリーデバイスの電源を入れ、フック操作をすることで接続できる。
着信音に関する設定は特になく、着信時にはハンズフリーデバイス側は常に電子音の呼び出し音に、本体側は通常設定に応じた動作になる。例えばマナーモードであれば本体の着信音は鳴らず、ハンズフリーデバイスでのみ呼び出し音が聞こえる。音声通話の着信時には、ハンズフリーデバイス/本体のオンフック操作のいずれかで通話が開始されるが、メニュー操作でハンズフリーデバイスによる通話に切り替えたり、再び本体での通話に切り替えたりもできる。Hands Free Profile固有の機能である、ヘッドセット操作によるリダイヤルや着信拒否といった操作も可能だ。またBluetooth v1.1ということで気になる、2.4GHz帯の無線LANなどとの干渉については、IEEE 802.11b/gの無線LANを利用している環境下でも特に問題はなく、音声が途切れることはなかった。
PCとのファイルのやり取りはFTPが主になるが、PC側から操作する場合には804SS側では接続を許可するだけでよく、804SS側でいちいち動作モードなどを変更する必要はない。ただしフォルダを開いたりファイルのコピーを始めるたびに804SS側でアクセスを許可するかどうか確認されるので、付属ソフトのPC Studioを利用した方が操作は手軽だ。しかし、PCからのファイルコピーならFTPを使ったほうが早く、先と同じ約4Mバイトのファイルのコピーは1分10秒ほどで済む。これはUSBケーブル接続した場合と同程度の速度だ。外出先でUSBケーブルを持っていない場合などには、送受信したいファイルサイズに応じて使い分けるといいだろう。
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