いよいよOSへと進化する次世代BREWBREW JAPAN Conference 2006

» 2006年05月09日 23時59分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo クアルコムジャパンの山田純社長

 クアルコムジャパンの山田純社長は5月9日、都内で開催されたBREW JAPAN Conference 2006で同社の次世代技術への取り組みを紹介した。その中で同氏は、現在開発を進めている次世代BREWの姿に言及した。

 携帯アプリの実行環境として2001年1月に日本市場にお目見えしたBREW(2001年1月31日の記事参照)は、2002年3月に初の対応端末が出荷された(2002年3月8日の記事参照)。ただ、当時はまだ実行環境のみで、ダウンロードには対応しておらず、2003年2月にKDDIから発売された「A5304T」の世代になって、アプリを無線でダウンロードできる環境になった。

 2005年6月に登場したBREW 3.1で、BREWはユーザーインタフェースから、ブラウザやメーラーなどのコアアプリケーションを含めたすべてのアプリケーションを動作させる環境になり、携帯電話のプラットフォームという位置づけに進化した。そして現在開発を進めている次世代のBREWでは、かねてから表明しているとおり(2002年3月8日の記事参照)、いよいよOSそのものとほぼ同等になる。

Photo クアルコムジャパンの山田社長が示したBREWクライアントの進化の系譜。次世代のBREWでは、単なるアプリケーションプラットフォームではなく、OSに近い存在になる

 山田社長は「現在携帯電話内部のアーキテクチャ自体を大きく見直しているところ」だと話す。次世代のBREWでは、アプリケーションレイヤーと、エンジンやドライバのレイヤーを切り分ける予定で、WindowsなどでいうところのデバイスドライバのようなものもBREWで開発できるようにする。

 例えば携帯電話に新しい機能を追加したいとき、MSMチップセットがその機能をサポートしていなければ、別途チップなどを追加する必要がある。その場合、新しい機能を利用するには専用のドライバを開発してBREWアプリからも使えるようにしなくてはならないが、現状ではまだそういったことにはなかなか対応できていない。

 「BREWの実行環境としての能力の高さはすでにBREWアプリで実証済みだ」と山田氏。だからこそ「周辺のデバイスをコントロールできるドライバまでBREWアプリで開発できるようにしていきたい」という。

 新バージョンのBREWは現在開発途上で、あと1年くらいの時間を要するという。実際に利用できる環境として提示できるのは2007年頃とした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  6. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
  10. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年