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» 2006年07月19日 23時11分 UPDATE

ワイヤレスジャパン2006:「128k×4」で512kbps通信──ウィルコム、W-SIMを4枚使うBBルータを試作

ウィルコムブースで、W-SIMを4枚差し、それを束ねて高速に通信できるようにするというブロードバンドルータ試作機が展示されている。

[岩城俊介,ITmedia]
photo W-SIMを4枚差して使用する「BBルータジャケット」(仮称)

 ウィルコムブースで、W-SIMを活用する新たな提案例となるブロードバンド(ダイヤルアップ)ルータ試作機の展示が行われている。

 「BBルータジャケット」と題されるその機器は、本体にW-SIMスロットを4基実装し、無線LANアクセスポイント機能と有線LAN端子を備える。最大で128kbpsのパケット通信を可能とするW-SIMの帯域を4つ束ねて高速に通信できるようにするという仕組みらしい。

 今回の試作機は、技術こそは確立しているがデザインや本体スペックなどもまだ未確定である。25.6(幅)×42(高さ)×4(厚さ)ミリのW-SIMカードを2列×2行とRJ45のLAN端子1つでだいたいの大きさは想像できるだろうか。なお、デザインも未確定のため、キューブ型やスタッキングブロック型といったデザイン性に富むものも想定できる。

 同機器は例えば、一時的な利用のため、高速なインターネット接続構築を整えるのにコストや手間がかかると判断できるイベント会場や工事現場、出張先などへの活用が想定できる。当然、既存のPHS通信網を活用するため設置可能な範囲は広く、安定した通信が望めるメリットがあるという。

photophoto BBジャケットの概念。NAT機能や無線LANアクセスポイント機能なども内蔵させたW-SIMタイプのダイヤルアップルータという感じ。サイコロ型などデザイン性に富むものも想定できる

 なお一般ユーザーへの利用においては、W-SIMの契約や料金体系などに有益なビジネスモデルを強く提案できていないという現状(1個人でデータ定額プランを4契約加入した場合、いくらになるのかといったことなど)から、まだ保留となっているようだ。

ウィルコムが新たに提案する位置情報ソリューション?

photo 「ロケーションセンサー」(仮称)の試作機。本体サイズは約80(幅)×70(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量約130グラム

 ウィルコムのユビキタス事業推進部が提案する「ロケーションセンサー」なるものも参考展示されている。

 ロケーションセンサーは、ウィルコムとCSC共同で開発を行っている位置情報取得端末。Gセンサーの搭載により、振動を感知すると5分おきに位置情報を取得。10分おきにセンターサーバに伝送するという仕組みを備える。そのとき取得した位置情報や電波強度、受信時刻、電池容量などの各種情報をセンターサーバに送信することで情報が蓄積されていく。蓄積されたデータをサーバ側で解析することにより、PCや携帯端末で本機の現在位置や移動履歴がチェックできるようになる。

 最近、子ども向け携帯へのサービスとして各社がアピールする、GPSを利用した位置情報確認サービスに似ているが、こちらはPHSの通信網と基地局を活用するところが異なる。一種の発信器のようなイメージになるだろうか。

 もう1つの特徴は省電力性能。試作機は単3乾電池2本を電源に使用し、電池交換なしで約3年間の利用(1週間に2時間動作、3000回位置情報を取得すると仮定)が可能だという。そのため、提供方法も月額いくらというPHSや携帯のような料金体系ではなく、3年間(電池が切れるまで)限定、ないし位置情報の取得可能回数を3000回と限定させるなどの売り切り体系も模索しているという。

 具体的な想定シチュエーションは、同社でもまだ活用提案をいくつか模索している最中とのことだが、例えばカーセキュリティ用途や運送業用途(荷物に付けるなど)などへの活用が期待される。同社は、既存のPHS通信網と、サーバセンターを既に設け、そのサーバで情報の解析を行えることによるTCO削減やカスタマイズの容易性、内蔵電池で動作するために取り付け工事なども不要な点などをアピールしたい考えだ。

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