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» 2006年12月27日 15時17分 UPDATE

ケータイ料金節約講座:第6回 パケット定額制選びは“最大金額”と“従量部分の料金”で決まる

2003年にKDDI(au)が開始した「パケット定額制」はユーザーの支持を受け、すぐに3キャリアに広がった。各社のパケット定額制の違いはどこにあるのか? 第6回は、各社のパケット定額制の料金やシステムの違いを比較した。

[石野純也(EYE's factory),ITmedia]

キャリアによって違うフラットな定額制とスライドする2段階制

 携帯電話のパケット料金定額制は、KDDI(au)が他社に先駆けて開始したサービス。2003年11月に導入されたCDMA 1X WINで初めて利用できるようになり、当時は「EZフラット」という名称で呼ばれていた。その後、NTTドコモ、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)が相次いでパケット料金定額制を導入する。

 現在では、ドコモが「パケ・ホーダイ」、auが「ダブル定額」「ダブル定額ライト」、ソフトバンクが「パケットし放題」「パケット定額」「パケット定額ライト」「デュアルパケット定額」を提供している。なお、ソフトバンクのパケット定額には「オレンジプラン(W)」向けと、「ブループラン」向けの2種類があり、それぞれ特徴が異なるので注意してほしい。各社の定額制の違いは以下のとおりだ。

 大きな違いは、auが2段階制を採用しているのに対し、ドコモはフラットな定額制という点にある。ソフトバンクは、選ぶプランによって2段階制とフラットな定額制のどちらでも選択できる。ただし、ドコモのパケ・ホーダイは新料金プランに移行していれば、FOMAのどのプランでも利用できるが、旧料金プランのままだと「FOMAプラン67」以上に加入していなければならないという制約がある。

 ソフトバンクに関しても、デュアルパケット定額は旧プランでしか利用することができない(12月20日時点でもバリューパックなどのボーダフォン時代からのプランを契約できるが、本稿では便宜的にこれらを旧プランと呼ぶことにする)。

各社パケット定額制の特徴

キャリア プラン 2段階制 最低料金 従量部分 上限金額 組み合わせられる基本料金プラン
ドコモ パケ・ホーダイ × 4095円 なし 4095円 FOMA全プラン(旧プランはFOMAプラン67以上)
au ダブル定額 2100円 0.0525円 4410円 CDMA 1X WINの全プラン
ダブル定額ライト 1050円 0.084円 4410円 CDMA 1X WINの全プラン
ソフトバンク パケットし放題 1029円 0.084円 4410円 ソフトバンク3Gのゴールドプラン、オレンジプラン、ブループラン
パケット定額(オレンジプラン) 2100円 0.0525円 4410円 ソフトバンク3Gのオレンジプラン(W)
パケット定額ライト 1050円 0.084円 4410円 ソフトバンク3Gのオレンジプラン(W)
パケット定額(ブループラン) × 4095円 なし 4095円 ソフトバンク3Gのブループラン
デュアルパケット定額 1050円 0.0525円 4095円 ソフトバンク3Gの旧プラン(新規申し込みは可能)


“最大金額”は4095円の「パケ・ホーダイ」「デュアルパケット定額」が割安

 次に、各社のパケット定額制をグラフにして比較した。これを見ると一目瞭然。上限までパケット料金を使った場合、4410円になってしまうauのダブル定額、ダブル定額ライト、ソフトバンクのパケットし放題、パケット定額(オレンジプラン)、パケット定額ライトがやや割高なことが分かる。

 逆に割安なのがドコモのパケ・ホーダイとソフトバンクのデュアルパケット定額、パケット定額(ブループラン)だ。パケ・ホーダイとパケット定額(ブループラン)はどれだけ使っても4095円。デュアルパケット定額は上限まで使った場合でも4095円となる。

3キャリアの定額制比較

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 また、パケット定額制を利用できる最低金額はパケットし放題の1029円で、あまりパケットを利用しない人が契約する場合は、最も安く利用できる。ただし、グラフを見ると、ダブル定額ライトやパケット定額ライトとの違いはほとんどない。ダブル定額ライトやパケット定額ライトより最低金額が21円安いだけと考えたほうがよいだろう。

 最低額を超えた従量課金部分は、ダブル定額、パケット定額(オレンジプラン)、デュアルパケット定額がもっとも安く、1パケットにつき0.0525円。ただし、ダブル定額とパケット定額(オレンジプラン)は最低金額が2100円のため、2万〜4万パケットまでは常にデュアルパケット定額が安く、上限に達した場合でも4095円のデュアルパケット定額が割安となる。

 以上の結果から最低金額ではパケットし放題が、従量課金部分のパケット単価ではデュアルパケット定額とダブル定額が、上限まで達した場合の金額ではパケ・ホーダイとデュアルパケット定額がもっとも安いということが分かる。

着うたフルたった6曲で上限に……ヘビーユーザーに2段階制は不要!?

 では、2段階制の各種パケット定額制の上限に達するパケット量で、どの程度のコンテンツを利用できるのだろうか? 下の表は定額制の最高金額に至るパケット量で、「着うたフル」「着うた」「待受画像」「ゲーム」「サイト(文字中心)」が、それぞれどのくらいを利用できるか示している。なお、着うたフルは1.7Mバイト(=1万3926パケット)、着うたは250Kバイト(=2000パケット)、待受画像は100Kバイト(=800パケット)、ゲームは500Kバイト(=4000パケット)、サイトは2Kバイト(=16パケット)でそれぞれ計算した。

定額制の上限に達するまでに使えるコンテンツの量

コンテンツ パケット量 ダブル定額とパケット定額の上限に達する量 ダブル定額ライトとパケット定額ライトの上限に達する量 パケットし放題の上限に達する量 デュアルパケット定額の上限に達する量
着うたフル 1万3926パケット 約6曲 約4曲 約4曲 約6曲
着うた 2000パケット 約42曲 約26曲 約26曲 約39曲
待ち受け画像 800パケット 約43枚 約66枚 約66枚 約98枚
ゲーム 4000パケット 約21本 約13本 約13本 約20本
サイト 16パケット 約5250ページ 約3281ページ 約3281ページ 約4875ページ
※各定額プランの上限パケット量「ダブル定額/パケット定額」8万4000パケット、「ダブル定額ライト/パケット定額ライト」5万2500パケット、「パケットし放題」5万2500パケット、「デュアルパケット定額」7万8000パケット


 表を見ると、デュアルパケット定額ですら、着うたフルをたったの6曲ダウンロードしただけで、定額制の上限に達してしまうことが分かる。もちろん、これはほかのパケット通信をまったく行わなかった場合のシミュレーションだ。

 通常の利用では、メールやサイトアクセスなどでパケット通信が発生することを考えると、思ったよりも上限に達するのは早い。ケータイは主に通話に使い、パケット通信はメールやちょっとしたサイト閲覧程度という人以外は、すぐに上限に達するという覚悟はしておいた方がよいだろう。

 このように考えると、2段階制を採用していないドコモのパケ・ホーダイやソフトバンクのパケット定額(ブループラン)も、ヘビーユーザーに対しては十分にお得な定額制だといえる。ちなみに、ドコモはパケ・ホーダイのほかにも、使用量に応じてパケット使用料を割り引く「パケットパック10」や「パケットパック30」を用意している。同様にソフトバンクのブループランでも「パケット10」や「パケット30」が利用可能だ。

 利用スタイルが明確になっているのであれば、これらのプランも選択肢に入れておきたい。例えば、毎日1回程度サイトを見るが、待受画像や着うたは月に1回程度しか利用しないというようなライトユーザーはパケットパック10やパケット10を、着うた/着うたフルを月に数回利用するがパケ・ホーダイが必要なほど無制限にパケット通信をするわけではないユーザーはパケットパック30やパケット30の方が安くなるだろう。

NTTドコモのパケ・ホーダイとパケットパック

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※ドコモのプランとソフトバンクのブループランは料金がまったく同じため、便宜的にドコモのプランで図示した。


総合的に考えるとやはりデュアルパケット定額がお得

 各社のパケット定額制プラン比較を総合すると、やはりデュアルパケット定額が、料金面、使いやすさの面でもっとも優れたプランだと言えるかもしれない。ライトユーザー、ヘビーユーザーに関わらず、加入しておいて損のないパケット定額サービスだからだ。

 逆にドコモのパケ・ホーダイやソフトバンクのパケット定額(ブループラン)は、あらかじめ利用スタイルを明確化する必要があり少々使いづらい。しかし、ヘビーユーザーに関してはお勧めできるプランということになる。また、auのダブル定額、ダブル定額ライトやソフトバンクのパケット定額、パケット定額ライトは2段階制で使いやすい反面、上限金額が4410円のため、ややヘビーユーザーには高い金額設定といえる。

 携帯3キャリアで着うたフルが利用可能になるなど、コンテンツはますます大容量化してきている。また、大容量のゲームや動画などの高速通信を活かしたサービスは、今後ますます増えていくだろう。

 そのような状況を考えると、「2段階制だからパケット通信量が安そう」「このキャリアはみんなが安いと言っている」などと安易に結論を出さない方がいい。着うたフルなどのコンテンツのデータ量は、サイトに明記されている。サイトによっては、サイトそのもののデータ量を明らかにしている場合もあるほか、端末によってはメニューから「詳細情報」といった項目を選択することで、サイトの容量を見ることができる。

 また、毎月の請求書などで利用しているパケット量の目安は出せるはずだ。それらの数値を明確にしてから定額制を利用するかどうか、どの定額制にするかを決めるべきだ。

ケータイ料金節約のマメ知識 −毎月のパケット量をチェック!!−

パケット定額制を利用する前には、必ず数カ月分のパケット使用料(パケット量)を確認しておこう。iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで調べられるほか、毎月送られてくる請求書でもパケット通信量が記載されているので、これをリスト化しまとめておくとプラン変更などに役立つだろう。


※本原稿は執筆時点(2006年12月20日)のデータを基にしています。また、料金プランは原則、NTTドコモはNTTドコモ(関東)、auは関東、ボーダフォンは関東甲信地方のものに準拠しています。地域によってサービス開始時期や名称、料金などが異なる場合があります。

※料金の試算は概算です。料金の概算など実際に計算した料金にならない場合もあるので参考としてご利用ください。

※パケット定額制のグラフは、税別で計算したものです。

※各社のサイトやパンフレットで最新の情報を必ず確認してください。


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