iPhoneを堪能するなら、“無線LAN接続+Safari”

» 2007年08月24日 23時55分 公開
[鈴木淳也,ITmedia]

 さて、先日掲載した「さらに詳しく、写真で解説する『iPhone』」に引き続き、今回は「iPhone」ならではのアプリケーションの動作などをじっくりと見て行きたい。

 iPhoneを有効活用するためには、まず何らかの形でネットワークに接続しなくてはならない。そこで、まずネットワークのセットアップ方法から、代表的なアプリケーションの基本動作を紹介しよう。

※編集部注:日本国内でiPhoneを使用すると、電波法違反に問われる可能性があります。本記事は米国内でテスト・執筆しています

データ通信には無線LANが必須

 iPhoneでデータ通信を行う場合、2種類のネットワーク接続が選択できる。1つはAT&T(携帯キャリア)が提供するGSM/EDGEネットワーク、そしてもう1つが無線LANのネットワークだ。GSM/EDGEネットワークを使えば米国内を含む世界の多くの地域でネットワーク接続が可能だが(日本と韓国は非対応)、通信速度は極めて遅いため、3G携帯電話やPCでのブロードバンド環境に慣れた人にはとても耐えられないだろう。特にWebサーフィンで重いページを閲覧したり、YouTubeなどで動画コンテンツを視聴するような場合は、無線LANでないと無理と言ってもいい。

 iPhoneは起動状態にあるとき、つねに周囲の無線LANネットワークを捜索しており、接続可能、あるいは登録されたアクセスポイントであれば、すぐに接続を試みて無線LANで接続する。iPhoneで快適にアプリケーションを利用するコツは、まず接続可能なアクセスポイントの場所を把握し、つねに無線LAN接続を維持できるよう意識することだ。

PhotoPhoto iPhoneでは、画面左上にネットワークの接続状態が常時表示される。左側がGSMのアンテナの感度で、右側が無線LANの接続状態となる。無線LANの接続が途切れると「E」のアイコンを表示して、EDGEによるデータ通信へと移行する
Photo Wi-Fiアクセスポイントの設定例

 無線LANのセットアップは、まずメインメニューで「Settings」を開き、Wi-Fiの項目を選択する。もし無線LANネットワークに接続済みなら、接続先アクセスポイントのSSIDが項目に表示されている。Wi-Fiの項目をクリックすると設定メニューが開き、現在接続可能なアクセスポイントの一覧が表示される。ここでアクセスポイントを選択すると、iPhone内の接続可能先リストに登録され、以後は同アクセスポイントを発見するたびに自動的に接続を試みるようになる。

 前述のようにiPhoneは自動的に無線LANのアクセスポイントを発見して接続を試みるため、次々とアクセスポイントを登録していくことで、無線LANさえあれば移動先でiPhoneを取り出すだけで、すぐにでもネットワーク接続とアプリケーションの利用が可能になる。米国内では空港などのアクセスポイントが充実しているので、なかなか便利な機能だ。またアクセスポイントの登録は手動で行うことも可能で、IPアドレスの手動設定やセキュリティ設定、IPアドレス上方のリフレッシュなど、より細かな設定もできる。

SafariでWebブラウジング

Photo Safariの起動画面

 iPhoneの基本機能を紹介した記事の5つの基本動作を試してみるなら、SafariによるWebブラウジングが手軽で分かりやすい。フルブラウザによるWebブラウジングは便利で、PC向けに作られたWebページも簡単に閲覧できるため、出先でちょっとした情報の検索に重宝する。またアドレス帳や電子メール、Google Map上でのリンクなどをクリックした場合にもSafariが起動するため、ある意味でiPhoneのキモともいえる機能だ。

 Safariを起動するには、メインメニュー下にある「Safari」のアイコンをタップすればいい。すると空白ページが表示されるので、URLを入力してページを開く。上のアドレスバーの部分をタップすると、ソフトキーボードが出現してURLの入力が可能になる。実はこのソフトキーボードはURL入力専用の特殊仕様で、通常のテキスト入力フィールドのものとは少々レイアウトが異なる。通常のキーボードは画面下のボタンがスペースバーになっているが、URL入力用のものでは「.」(ピリオド)と「.com」を入力できる。

PhotoPhoto URL入力用のソフトウェアキーボード
PhotoPhoto 通常テキスト入力フィールドで使用するソフトウェアキーボード

 また入力した内容は簡単に修正できる。URLの部分に指を当て続けると、ルーペ状のウィンドウが出現し、文字が拡大表示される。ここで指を左右に動かすとルーペがその動きに合わせて移動し、カーソルの現在位置を指し示すので、バックスペースボタン(「×」のボタン)を押せばカーソルの直前にある文字を削除できる。ここでの注意点は、範囲選択してコピー&ペーストをしたり、まとめて範囲内の文字を削除したりはできないこと。もし削除する文字が多いときには、URL横の「×」ボタンを押して、項目ごとまとめてクリアしてしまったほうが楽だろう。基本的にURLは手入力するのではなく、極力ブックマークを活用し、一度入力したURLは履歴機能の候補一覧から選択するほうがいい。

 ブックマークは、MacやPCからインポートするのが一番簡単で確実だ。iTunesを使ってiPhoneを初めてSyncさせたとき、デフォルトの設定ではMac/PC上で動作するSafariまたはInternet ExplorerのブックマークがそのままiPhoneに転送されるようになっている。この設定を解除しない限り、以後はSyncさせるたびに両者でブックマークを共有できる。

 iPhoneでブックマークを使用するには、画面下部の中央にある、本の形をしたアイコンを選択する。すると、すでにデフォルトの状態でブックマークが出来ている。ドラッグしてブックマークをスクロールさせ、タップでブックマークを選択またはフォルダの中身を確認をして、目的のページを開けばいい。

PhotoPhoto URLに指を当て続けるとルーペが出現する(左)。これでカーソルの位置を簡単に動かせる。ブックマークの情報は、最初にiTunesとSyncしたときに、PCのブックマークの情報が転送される(右)

複数ページの同時オープンもサポート──Gmailも利用可能

 一度Webページを開いてしまえば、あとはiPhoneの5つの基本動作で自由にブラウジングできる。もし機会があったら、驚くほどスムーズに動くブラウジング機能を堪能してほしい。現在、全米のApple StoreやAT&T StoreではiPhoneのデモ展示を行っているので、渡米する機会があったら、ストアまで赴いて手にとって試してみるといいだろう。SafariではHTMLページだけでなく、PDFや画像ファイルの閲覧も可能だ。電車のスケジュール表や仕事上のドキュメント、写真など、通常のWebブラウジングと同じ感覚で楽しめる。

 もちろん日本語表示も可能だ。すでにいくつかレイアウトが崩れるページを確認しているものの、著名なサイトはおおむね問題なく表示できる。例えば最近、筆者はiPhoneでmixiにアクセスし、閲覧したり、たまに更新もしたりしている。日本語入力ができず、写真をアップロードできないという制限はあるものの、エントリーやコメントの作成程度なら問題ないようだ。

PhotoPhoto PDFファイルももちろん普通に閲覧できる(左)。mixiなど、日本語のページもSafariで問題なく表示できる(左)

 またiPhone版Safariの特徴として、複数ページの同時表示が可能な点が挙げられる。画面右下の四角いアイコンを選択すると、画面切り替え用のページへと移行する。ここで「New Page」を選択することで新規のページを開き、既存のページの状態を残したまま、別のページでWebブラウジングが可能となる。画面の切り替えは先ほどの四角いアイコンで出現するページで行い、ドラッグ操作で画面をスクロールさせて目的のページを選び、タップで選択する。ページの左上に出現する「×」ボタンを選択するとページを閉じる。Webページの中には強制的に別ウィンドウを開くものが存在するが、そのとき開いた別ウィンドウから元のページへ戻りたい場合もこの方法で行う。

 確認した範囲では、いくつかの制限はあるものの、Ajaxを用いたサイトの利用も可能だ。例えばGmailは、メール一覧の選択から内容の確認、新規メール作成、返信、検索など、一通りの作業がSafari上で行える。だがGmailは動作としてはけっこう重いため、実際のメール送受信は標準のMailアプリケーションを利用したほうがよさそうだ。Gmailではオートコンプリート機能も働かないため、アドレス帳が使えるMailのほうが作業は楽だ。

PhotoPhoto ページ選択画面(左)。ドラッグ動作で画面を探し出し、クリックで目的のページを選択する。Gmailも使えなくはない(右)。ただ、実際には標準添付のMailアプリケーションを使ったほうがいい

関連キーワード

iPhone | Safari | Apple | Gmail | iTunes | AT&T | mixi(ミクシィ)


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