インタビュー
» 2007年09月11日 15時00分 UPDATE

「W44K II」「A5526K」開発陣インタビュー:“スリムなau端末”を担う京セラのベストスリムゾーン戦術 (1/2)

人気の薄型端末「W44K」のマイナーチェンジモデル「W44K II」と、そのコンセプトを継承した1X端末の「A5526K」。薄さと使いやすさを併せ持ち、幅広い層に支持がある両端末について、開発背景を担当者に聞いた。

[房野麻子(聞き手:平賀洋一),ITmedia]

 薄さ15ミリの中に十分な機能を搭載して人気となったW44Kのマイナーチェンジモデル「W44K II」と、そのコンセプトをそのまま1X端末に応用した「A5526K」。この2つの京セラ製au端末は、エルダー・シニア層を中心ターゲットとし、薄さと使いやすさのバランスをコンセプトにしている。その開発の背景を、京セラ通信機器関連事業本部マーケティング部マーケティング課の長島三氣生氏に聞いた。

photophoto 「W44K II」(左)と「A5526K」(右)

幅広いユーザー層へ支持を広げる――「W44K II」

photo 京セラ通信機器関連事業本部マーケティング部マーケティング課の長島三氣生氏

 W44Kは、発表当時WIN端末で最薄の厚さ15ミリを実現し、そのスリムなボディと洗練されたデザインに加え、AF付き201万画素カメラや解像度320×240ピクセルのASV液晶、PCサイトビューアー、外部メモリ(microSD)スロットなど、充実した機能を備えてヒットした。そのマイナーチェンジモデルとして登場したのがW44K IIだ。

 「2006年11月に発売されたW44Kは、30代のビジネスマンを中心に幅広いユーザーの方に好評でしたが、もうちょっと上の年代まで裾野を広げたいということになりました。W44Kからどこを変えるのかKDDIさんと協議し、“薄いけれど機能がぎっしり詰まっている”ことを評価していただいたので、仕様はそのままに、使いやすさをプラスしました」(長島氏)

 W44K IIは50代以上のユーザー層も取り込もうと企画した端末だが、この年代は製品を選んでもらうのに一番難しい層だ。メーカーやスペックにそれほどこだわりを持たないが、価格も含めたその商品の本当の善し悪しを厳しく、直感的に判断するユーザーが多い。KDDIと京セラは、ほかのモデルで対応しきれなかった新たなユーザー層を、W44K IIならカバーできると判断した。

 「若年層向けにはさまざまな製品やサービスがあり、評価ポイントがユーザーごとに違う。しかし、40代以上のユーザーというのは、携帯性や実用性といった普遍的なところに商品価値を見出す方が多い。人間の手のひらの大きさは変わりませんし、スーツやシャツのポケットの大きさも変わらない。薄さを普遍的に支持するユーザー層は、時代に左右されることなくいると思います」(長島氏)

より見やすく、使いやすくチェンジ

 W44K IIでは、シニアを含めた年代層をターゲットにしているため、使いやすさ、わかりやすさを重視して外装や機能を一部変更した。ダイヤルキーの[1]/[2]/[3]キーがワンタッチキーを兼ねるようになり、フォントと色をほかのキーと変えてある。キー形状は周囲に段差があるフレームレスキーになり、隣のキーと区別しやすくなった。また、十字キーの周囲にあるソフトキーも大きくなっている。

 「50代以上の年配の人たちにも分かりやすいようにして、ターゲットの裾野を広げたのが一番のポイントです。薄さや機能、デザインといったW44Kで評価いただいていた部分については、そのまま継承しています」(長島氏)

photophoto カラーは3色。シックな大人の印象を持たせるプレシードブラウン、さわやかで軽やかなブレイシングブルー、クリーンで心地よく性別や年齢に左右されないフォーミーホワイト
photophoto 十字キーの左右4つのキーが大きくなり、ダイヤルキーは左右にも段差を付けた。W44Kではダイヤルキーのフォントがカラーによって違っていたが、今回は見やすさを最優先して3色とも同じフォントを採用。フォントのサイズは若干大きくなって視認性が向上している(左)。

アドレス帳件数が700件から1000件に増えたことも機能的な変更点(右)。「番号ポータビリティがあるので、ドコモさんの1000件を意識してスペックアップしました」(京セラ)
photo W44K IIの背面。レンズ周りのパーツがカラーバリエーションごとに違っている

“薄く、使いやすい”を1X端末でも――「A5526K」

 薄くて使いやすいというW44K/W44K IIのコンセプトをそのまま継承したのが、1X端末であるA5526Kだ。“1Xでも薄さと機能を両立させたものが欲しい”という声に応える形で生まれた。

 auの1X料金プランには学生限定の割引サービス「ガク割」があるため、1X端末ユーザーには学生が多いといわれてきた。しかし、現在は40〜50代が主流になっているという。また、最近の1X端末は、ジュニアケータイグローバルパスポートなど、特別な機能を持たせたモデルが多いが、A5526Kは純粋に通話とメールの使いやすさを追求した、シンプルな端末となっている。

 「1X端末にはジュニア、ローティーンというカテゴリと、エルダー、シニアというカテゴリがあります。この間に、リーズナブルで通話とメールができるシンプルな端末があればいい、という低関心層といえるカテゴリがあります。年齢でいうと40〜50代の中高年層で、A5526Kはそこをターゲットにした商品です」(長島氏)

 基板の配置やデバイスの組み方など、構造の部分ではW44Kで培った薄型化のノウハウが生かされている。A5526Kでは、miroSDメモリーカードスロットをバッテリーの下に配置。au ICカードがないなどWIN端末と1X端末の違いから、W44K/W44K IIよりもさらに0.3ミリ薄くなっている。メインディスプレイは2.4インチASV液晶、カメラは131万画素と標準的だ。

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