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» 2008年05月12日 15時01分 UPDATE

神尾寿のMobile+Views:“ホワイトオセロ”戦略で逆転を狙う――ソフトバンクモバイル、法人市場への自信 (1/2)

「法人契約市場に『完全に火が入った』」――。これが、多くのケータイ販社幹部が、この春商戦のトレンドとして挙げたキーワードだ。中でもめざましい躍進を見せたのがソフトバンクモバイル。法人市場開拓の秘策について、同社法人事業本部長の平野氏に聞いた。

[神尾寿,ITmedia]
Photo ソフトバンクモバイル常務執行役員 営業・マーケティング副統括 法人事業本部長の平野尚也氏

 134万8200契約――。この3月の携帯電話純増数に、多くの業界関係者が多少の驚きを感じたのではないだろうか。

 番号ポータビリティ(以下、MNP)開始直後の春商戦だった2007年3月の携帯電話純増数は95万57600契約である。また過去5年の同時期のデータを振り返っても、今年の3月は最も純増数が多い。

 すでに累計契約者数は携帯電話だけで1億契約を突破しており、世間では“新規契約市場の飽和”がささやかれていた。それなのになぜ、これほどまでに「純増数が伸びた」のか。

 「法人契約市場に『完全に火が入った』」

 今年の春商戦のトレンドについて多くの販売会社幹部に取材したところ、一様に“法人市場の活性化”という答えが返ってきた。大口はもちろん、中小規模の法人向け市場でも新規契約需要が旺盛であり、それが純増数全体の底上げに働いたというのだ。

 「法人市場による(純増数全体の)押し上げは底堅いものになっています。特にソフトバンクモバイルは、実は法人市場でより大きく伸びている。彼らが純増数競争で強い理由も、そこにある」(大手販売会社幹部)

 今後の携帯電話純増数の中で、一段と重要度が増す法人契約市場。そこで急速に勢力を伸ばすソフトバンクモバイル。ここでの同社の強さは、どこにあるのか。

 今回のMobile+Viewsは特別編として、ソフトバンクモバイル常務執行役員 営業・マーケティング副統括 法人事業本部長の平野尚也氏にインタビューを行い、法人市場におけるソフトバンクモバイルの戦略と展望について話を聞いた。

「事業部化」でスピード感をアップ、“展開面”で勝負をかける

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 ボーダフォンからソフトバンクモバイルへ――。MNPを前に、社名と大幅な体制変更を行った際には、同社のメインターゲットは「コンシューマー市場」だと思われていた。もちろん、MNP開始から今に至るまで、「ホワイトプラン」を軸にソフトバンクモバイルの強さやインパクトは、コンシューマー市場全体に波紋のように拡がっている。しかし、その裏で同社は着々と「法人市場」をターゲットに据えた戦略を進展させてきた。

 「(社内)体制的な部分から見ますと、2007年10月に法人事業本部を立ち上げました。従来の営業部門の1つとして法人市場に向き合うのではなく、1つの事業部となったことで、意思決定が早くなった。これにより、(法人市場の動きを捉える)スピード感が向上しました。

 さらに販売チャネルの施策では、当初はソフトバンクテレコム主体だった法人営業体制を拡充し、現在は多くの販売代理店を募って法人市場の獲得をしています。ここでは法人市場の担当先任者を設置し、新規契約の獲得はもちろん、アフターケアでもお客様の満足度を向上する体制にしています」(平野氏)

 筆者が定期的に行っている法人市場の取材・調査でも、確かに2007年を通じて、法人市場におけるソフトバンクモバイルの勢いは急拡大していた。ソフトバンクモバイルは法人市場の急拡大に先手を打つ形で、本社から販売チャネルまでフットワークよく法人顧客が獲得できるように組織を刷新。「(法人市場を)“面”で獲得していく体制にした」(平野氏)のだ。

 「我々の強みとしては、ソフトバンクとしての『グループ力』があります。この点は早期から重視していました。

 (ソフトバンクグループには)ブロードバンド通信を軸に、(ソフトバンクテレコムの)固定電話、さらにコンテンツや各種サービスなどがあり、それらを複合的かつスピーディーに提供できる。これは(ドコモやKDDIなど)競合他社に対する優位性と言えるでしょう」(平野氏)

 2007年後半から今年にかけては、ソフトバンクモバイルを導入する大手企業も急増した。例えば、今年2月には郵便局が5万台を契約している。最近では大口契約の競争案件で、ドコモやKDDIに競り勝つことも多くなってきているという。

「ホワイトプラン」を武器に、“ホワイトオセロ戦略”で逆転狙う

 周知のとおり、ソフトバンクモバイルの“お得な”イメージを支えているのが、「ホワイトプラン」と「音声定額」だ。これはコンシューマーのみならず、法人市場でも強力な武器になっている。

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