手間をかけずにケータイサイトをFlash化――DB連携も可能な「ケータイサーチビューアー」とは(2/2 ページ)

» 2008年07月18日 19時27分 公開
[富山隆太,ITmedia]
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“比較検討系”サイトで実力を発揮

 ケータイサーチビューアーを利用することで、サイトがどう変わるのか――。それが分かるのが、製品や価格を比較検討する携帯サイトだ。

 その一例が、「クルマ情報Goo!!」と「バイク情報Goo!!」の検索機能「スーパーハイブリッドサーチ」への採用だ。まるで専用アプリのような見た目や操作感は「1度の読み込みで、大量の情報を表示させること、しかも使いやすいUIで」という条件を備えている。特に、2007年の3月10日からスタートしたバイク情報Goo!!の同機能は、デザイン、操作感ともにFlashならではの特性を生かした例といえるだろう。

Photo 「バイク情報Goo!!」でスーパーハイブリッドサーチのページを開くと、いきなりFlashの絞り込み検索画面が立ち上がる。検索結果ももちろんフルFlashで表示される
Photo バイクの詳細情報では、この3つの画面以外、例えば写真や店舗情報などもすべて1つのファイルとして読み込まれる。操作感はスムーズ

 検索条件を入力する画面では、メーカーを選び、排気量を選び……と、1つずつ条件を選んでいくたびに、登録台数から対象台数が計算され、それがリアルタイムに反映される。つまり、デザインを変えず、サーバとの通信を介して情報のみ更新しているわけだ。こうした処理を行っているにもかかわらず、読み込み時のストレスもなく、快適に動作する。

 この軽い操作感と得られる情報量の豊富さ、見やすさで、ユーザーの滞留時間は増え、商品の閲覧点数も増えると、岡氏は自信を見せる。ただ、そのメリットがすべてのケータイサイトにとって役に立つかは、また別で、従来の広告モデルにとってはデメリットになる側面もある。「1ページ分の表示で多くの情報を得られるため、結果的にページビューは下がってしまいます。ユニークユーザーが増えてもページビューは下がるという可能性があり、広告ビジネスを展開するサイトには、それを理由に断られることもあります」(岡氏)

一度の読み込みで、間取図から地図、室内写真、外観写真まで――不動産サイトの導入事例

 ケータイサーチビューアーはまた、「多くの情報を比較しながら見る」というサイトにも適していると、岡氏は話す。その効果は「即オク! for Yahoo!オークション」やウィークリーマンション情報を提供する「携帯グッドステイ」の導入事例を見ると分かりやすい。

Photo 一番左は「即オク! for Yahoo!オークション」の検索結果。その他は商品詳細ページで、すべて1つのファイル上で展開している

 即オク! for Yahoo!オークションは、多くの出品者がPCから情報を入力することから、その情報量は膨大だ。さらにUGCであるオークションコンテンツでは、文章量や写真の点数などが利用者によりまちまちで、ケータイの小さな画面で見やすいレイアウトにするのが難しい。同サイトではケータイサーチビューアーの導入時にUIを工夫し、ユーザーが入力した情報量の多い少ないに関わらず、どれも1ページで表示されるようサイトをデザインし、複数の情報を見ながら比較・検討したいというニーズに応えている。

Photo 一番左は「携帯グッドステイ」での検索結果。その他物件詳細ページで、すべて1つのファイル上で展開されているもの。ここまで紹介してきた事例と比べても、情報量が豊富

 それは携帯グッドステイの事例も同様だ。タブで情報が区分けされたこの事例では、アクセスや設備一覧、物件画像に料金といった、ユーザーが知りたい情報を1画面で、1度の通信でスムーズに閲覧できる。1つの物件情報を取得すると、物件画像や間取図(1点)、外観写真(1点)、室内写真(5点)の計7点を1つのファイルとしてダウンロードされるため、画面もタブの切り替えに応じてすばやく切り替わる。

 この2つの事例は、クルマ情報Goo!!、バイク情報Goo!!とは異なり、「1機種1機種、端末別に出し分けることで実現している」と岡氏は話す。「今の日本のケータイWebサイトで最も大事なことは、ユーザビリティの向上」と考える同社では、UI開発についてもクライアントに最適なものを提供すべく、日々研究を重ねているという。

 「今の通信速度、今のケータイの形、今のWebサイトの内容を考えれば、我々の提供するサービスや技術はユーザービリティの向上に必ず貢献できる」と岡氏は胸を張る。これからケータイ業界にFlashサイトは普及していくのか、またユーザーがその新たな世界を受け入れるのか、Flash変換サービスが、ケータイサイトのFlash化を加速させるのか――。その動向に注目したい。

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