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» 2008年12月30日 21時25分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2008年の“注目ケータイ”(ライター神尾編):変革期に入る“ケータイ”。それを感じた2008年 (1/2)

iモード登場から10年。日本の「ケータイ」は成熟を極め、進化の袋小路に入りつつある。iPhoneやWindows Mobile端末など、異文化的なスマートフォンとの共存共栄が進めば、新たなケータイ像が見えてくるだろう。

[神尾寿,ITmedia]

 2008年は“ケータイ”の定義や在り方が、改めて将来に向けて問い直される年になった。1999年のiモード登場から発展、進化してきた“ニッポンのケータイ”は成熟の極みに達しており、誤解を恐れずに言えば、進化の袋小路に入りつつある。一方、異なる文化的背景で進化してきたスマートフォンが徐々に使いやすさを向上させ、日本でもエコシステムが整い始めている。従来型のケータイと新たなスマートフォンは、競合し、共存しながら、今後数年で“新たなケータイ”の姿を作っていくだろう。2008年はその端境期の始まりといえるだろう。

 直近の市場環境に目を向ければ、端末販売は苦しい状況が続いているが、これは“夜明け前”に似た状況であると筆者は見ている。むろん、キャリア各社が導入した新販売モデルによる構造不況による影響は無視できないが、“ケータイの進化”そのものが止まったわけではない。むしろ、将来に向けての変革や模索が本格化したというのが、今年の印象である。

総合ランキング
順位 製品名 メーカー キャリア
1位 「iPhone 3G」 Apple ソフトバンクモバイル
2位 「N-02A」 NEC NTTドコモ
3位 「EXILIMケータイ W63CA」 カシオ計算機(カシオ日立モバイルコミュニケーションズ) au

部門賞
部門 製品名 メーカー キャリア
デザイン 「P-01A」 パナソニック モバイルコミュニケーションズ NTTドコモ
商品企画 「Sportio」 東芝 au
テクノロジー 「SH-03A」 シャープ NTTドコモ
特別賞 「Touch Diamond」 HTC イー・モバイル、ソフトバンクモバイル、NTTドコモ

新時代の灯火となった「iPhone 3G」

photo 「iPhone 3G」とソフトバンクモバイル代表執行役社長兼CEOの孫正義氏

 2008年の携帯電話市場で、大きなターニングポイントといえるのが、Appleの「iPhone 3G」登場だろう。

 iPhone 3Gを携帯電話として見れば、確かに足りない部分や革新的すぎる部分はある。また、ビジネス向けのスマートフォンとして見ても、この分野の草分けであるBlackBerryやWindows Mobile機よりも見劣りする。しかし、それでいてiPhone 3Gが今年最も重要な1台だと思うのは、同機が目指しているのが“新たなコンピューティングの世界”であるからだ。人とコンピュータ、人とインターネットが、今後10年でどのような関係性を築いていくのか。そのテーマについての洗練された問いかけであり、実験的なコンセプトがiPhone 3Gなのだと思う。

 iPhone 3Gは今年、発売前後の熱狂と、その後のバッシングで翻弄(ほんろう)されてしまったが、それでも「iPhone 3Gのエコシステム」はここ日本でも成長してきている。特にアプリとメディア機能の成長は著しく、先日の産経新聞iPhone版を見れば分かるとおり、モバイル分野における実験的な取り組みが多く行われている。

 おサイフケータイ(FeliCa)対応を筆頭に、日本市場向けとして足りない部分も確かにある。それでもなお、iPhone 3Gが新時代を照らす灯火になったことを高く評価したい。

既存ケータイの熟成の極み――「N-02A」

photo 「N-02A」

 既存の“日本ケータイ”の1つの集大成として注目したいのが、NEC製の「N-02A」だ。これはドコモの新シリーズカテゴリーではSTYLEだが、実力はハイエンドモデルのPRIME級。それでいて厚さが12.9ミリとスリムで、先々代(N905iμN906iμ)から続くiμシリーズの後継機となっている。

 N-02Aには、NECが極薄端末の開発で蓄積した技術とノウハウがしっかりと注ぎ込まれており、軽量、コンパクトでありながら機能や性能に妥協がない。先代N906iμで見劣りしたカメラ性能も強化されており、とてもバランスのよい端末に仕上がっている。また、デザイン面も秀逸で、NECが今期のフラッグシップとして投入した「N-01A」よりも、N-02Aの方が全体的なデザインセンスや上質感は優れていると感じた。N-01Aはコンセプトとしてはユニークだが、まだ荒削りだ。

 日本の利用環境にしっかりと適合し、デザインと機能、性能とのバランスに優れているモデルとして、N-02Aは今年最も優れた端末といえる。

カメラケータイとしてのバランスのよさ――「EXILIMケータイ W63CA」

photo カメラケータイとしてバランスがいい「EXILIMケータイ W63CA」

 今年の冬商戦において、争点の1つになったのが“カメラケータイ”だ。この分野で最も優れた端末として、auのカシオ計算機製端末「EXILIMケータイ W63CA」を推したい。

 EXILIMケータイ W63CAの魅力は、“普通のデジタルカメラ”としての使いやすさだ。カメラ性能でいえば、同じ800万画素でもCCDを搭載するシャープ製のカメラケータイの方が使い勝手がいいが、“カメラとしてのUI”まで含めて総合的に判断すると、W63CAに軍配が上がる。カメラとしてホールドした時の操作体系や、撮影メニューなどの作りがとてもよいのだ。コンパクトデジタルカメラ「EXILIM」シリーズの銘に恥じないカメラ機能である。

 また、ケータイとしてのデザインやサイズ、UIを見ても、W63CAの完成度は高い。カメラがセールスポイントのモデルではあるが、一般的なケータイとして見ても、バランスのいい1台である。

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