出先の“バッテリー切れ”で泣かないために――タブレット向け大容量モバイルバッテリー、4種を試すビジネスタブレットのお供に(2/4 ページ)

» 2013年09月02日 11時00分 公開
[森田秀一Business Media 誠]

 次は「重さとデザイン」。これは利用者側の用途や好みに左右されるだろう。特に重さは、バッテリー容量とトレードオフの関係にある。容量が大きいほど、モバイルバッテリーも重くなる。せっかく薄型・軽量タブレットを買っても、モバイルバッテリーが重くなってしまうのでは意味がない。

 容量と重さについて完全な法則性はないが、少なくとも2013年8月時点においては「1万mAhのモバイルバッテリーの重量は最低でも250グラム以上」「容量5000mAhに半減しても、重量は半減しない(125グラム以下にはならない)」という傾向がある。7インチクラスのタブレットの重さがだいたい300グラム前後。つまり、モバイルバッテリーがそれなりに重いということは、忘れないでほしい。

 また、デザインも持ち歩く際の重要なポイントになる。立方体とフラット型とではカバンやポケットへのおさまりが全然違ってくる。一般的にはフラットな方が、カバンの内ポケットなどに入れやすいとも思うが、これは個人の事情に合わせて選んでみよう。

Photo 本体の厚さは特に気にしたい

 「バッテリー容量」「出力電流およびUSBポート数」「重さとデザイン」は、モバイルバッテリーにとっての最重要スペック。製品情報サイトやパッケージなどで簡単にチェックできるので、ぜひ覚えておいてほしい。

 そして4つめ以降は、各メーカーが少しでも他社製品と差別化すべく、競い合っている部分になる。実際、普段の使い勝手を左右する部分でもあるのだが、その独自性ゆえに「使ってみないと分からない」ところもある。

 「充電時間」は、モバイルバッテリーをフル充電するのにかかる時間のこと。基本的には、大容量になればなるほど充電時間がかかる。容量1万mAhクラスの製品では、7〜8時間かかる場合もザラだ。後述するモデルの中には、専用ACアダプターを使うことで充電時間の大幅短縮を図っている場合もあるが、これはまだ少数派だ。

 そして「充電回数」。モバイルバッテリーは一般的な充電池と同様、何百回と充電を繰り返すと、いずれ使用できなくなる。そのサイクルが「充電回数」として説明されているわけだ。ただ、この数値は、製品の使い方によっても変動するため、個人的にはそれほど気にしなくてもよいと考えている。標準的なスペックで500〜1000回くらいだ。

 「便利機能」については、製品によってさまざまだ。「バッテリー残量をLEDで○段階表示」とか、「1つのACアダプターでスマホとモバイルバッテリーを充電できる」など、メーカー各社がいろいろな機能を搭載している。

 「付属品」は、その名の通りだ。モバイルバッテリー用のACアダプターが同梱されているか、持ち運び用ポーチが付いているか、USBケーブルの長さは何センチあるか、といったあたりが比較ポイントになるだろう。

モバイルバッテリー4種を実際に使ってみる

 ここからは、実際に発売されているモバイルバッテリーのミニレビューをお届けしよう。カメラ量販店や通販で入手しやすい、大手メーカー製品を中心に4機種を用意した。なお、本稿では「Nexus 7-32T」(2012年発売モデル)との組み合わせで使用感を試した。

CP-F10LSAVP(ソニー)

Photo CP-F10LSAVP(ソニー)本体と、その付属品。ACアダプターのプラグ折りたたみ機構などはない
項目 仕様
製品名 CP-F10LSAVP(ソニー)
価格 直販サイト価格8980円
容量 1万mAh
出力用USBポート数および出力電流 2ポート合計3.6A
充電回数 1000回
重量 260グラム

 ソニーはさまざまなバリエーション、機能を備えたモバイルバッテリーをリリースしているが、こちらはシンプルなデザインでなおかつ容量を重視した「フラットタイプ」。CP-F10LSAVPは容量1万mAhだが、小容量モデルもある。

 厚さ16.5ミリで、凹凸がほとんどないフラット構造が魅力だが、やはり容量1万mAhとなると重さは260グラムに達する。重さが標準的なスマホの2台分近くあり、実際手に取ってみてもかなりズッシリくる。日によって使うか使わないか分からないモバイルバッテリーという性質を考えると、この重みは判断が分かれる部分かもしれない。

 使用感は極めてオーソドックス。タブレットを接続し、ボタンを押すだけで給電がスタートする。このあたりは他のモバイルバッテリーとほぼ同じ操作感。出力電流は最大3.6アンペアで、出力用USBポートを2つ備えている。このため、スマホとタブレットの2台同時接続・充電が可能だ。

 USB-ACアダプターが付属し、これを使ってモバイルバッテリーをフル充電するのにかかる時間は最大7時間。スマートフォンの充電とくらべるとさすがに長い。ちなみに、標準的なUSBポートと接続した場合は充電に23時間(!)かかる。これは、この製品特有の問題ではなく、1万mAh級のモバイルバッテリーならば当然要する時間なので、お間違えなく。

 また、1つのACアダプターだけで、モバイルバッテリーとタブレットを同時充電する機能もある。この際は、ACアダプター→モバイルバッテリー→タブレットという風に芋づる式接続を行う。すべてのモバイルバッテリーが当たり前に備えている機能ではないので、覚えておくといいだろう。

Photo USBやパイロットランプ類は上側側面に集中(画面=左)。裏面にはランプ点灯ルールなどの記載も(画面=右)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年