「OK Google」。
最近はテレビのCMでもよく聞く言葉ですが、すっかりタッチ入力に慣れてしまっているので、あまり使う機会がありません。
米Googleは、2014年に公式ブログで「10代の半数以上が毎日音声検索を使っている」(1400人が対象)という調査結果を発表していますが、若者は積極的に音声検索を使っているようです。
しかし、まわりの話を聞いていると、どうやら40〜60代の中高年世代も音声検索をバリバリ使いこなしていることが分かってきました。そして、どうやら最近スマホデビューした母親もその恩恵を受けているようなのです。
13年間ガラケーを使い続けた58歳の母が、ついにスマホデビューしました。もともとITオンチなのもあり、初めてのスマホに四苦八苦。特に大変なのが「文字入力」です。
慣れないタッチ操作、ガラケーと違うキー配列、かな/カナ/英数字/全角/半角の切り替えなど、覚えることがありすぎて、軽くパニック。入力するとき、した後の文字も小さすぎて見えず、試しに「マクドナルド」という6文字を打つだけでも10分程かかりました。
どうしたものかと思っていたとき、「親は音声検索をバリバリ使っている」という身近な人たちの話を思い出し、試してもらいました。
効果てきめんで、ITオンチな母でも検索窓の右端にあるマイクのアイコンをタップし、今度はものの数秒でマクドナルドのページを検索できました。さっきまで眉間にしわを寄せながら小さい画面をにらみ続けていた母も、「なんだ、簡単じゃん」と余裕の表情です。
「明日の東京の天気は?」「○○駅までどうやって行くの?」などの口語にも反応してくれるなど、使いこなせれば音声検索はかなり便利ですが、「何ができて何ができないかよく分からないから、そういうのはまだいい」と言われてしまいました。現時点では、「タッチ入力の代わりに単語を入力する手段」として割り切っているようです。
また、老眼で小さい文字を見るのが大変そうだったので、文字サイズを大きくしようとしたら、「普通のままでいい」と拒否されました。「便利に使いたい」という気持ちと、「なるべく若い人たちと同じように使いたい」という思いが複雑に同居しているのです。
この複雑な大人心は、らくらくスマートフォンへの機種変更を勧めたときの、「(らくスマは)老人扱いされてるようだし、ダサいから嫌だ」という言葉に集約されていました。CMで若者たちが音声検索を使いこなす姿は、親世代にもちょっぴりかっこよく映っていたようです。母なら恥ずかしがらずに、街中でも堂々と「OK,Google」と言ってくれるかもしれません。
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