最近は防水対応スマートフォンが増えたため、お風呂でスマホを使っているという人も多いのではないでしょうか。2016年9月には、iPhoneとして初めて防沫・耐水/防塵(じん)性能を備える「iPhone 7/7 Plus」も発売されました。
しかし、これらはお風呂で使ったり、水濡れしたりしても大丈夫なのでしょうか。iPhone 7の「IP67」という保護等級の意味から、水没後の対処法まで紹介していきます。
iPhoneシリーズで初めて耐水性能をサポートするiPhone 7/7 Plusは、IEC(国際電気標準会議)に基づく「IP67」に対応しています。このIPはIPコードと呼ばれるもので、続く3文字目の数字が「防塵性能(固形物に対する保護等級)」を、4番目の数字が「防水性能(水の侵入に対する保護等級)」を意味しています。
IP67なら、「防塵性能は6級で、防水性能は7級」ということ。等級はそれぞれ以下のように定義されています。
等級 | 定義 |
---|---|
0 | 特に保護されていない |
1 | 直径50mmを超える固形物(人体の手足など)が内部に侵入しない |
2 | 直径12.5mmを超える固形物(人体の指先など)が内部に侵入しない |
3 | 直径2.5mmを超える固形物が内部に侵入しない |
4 | 直径1.0mmを超える固形物が内部に侵入しない |
5 | 悪影響が生ずる程度の粉塵が内部に侵入しない |
6 | 粉塵が内部に侵入しない |
等級 | 定義 |
---|---|
0 | 特に保護されていない |
1 | 鉛直に落下する水滴を受けても有害な影響がない |
2 | 鉛直から15度以内の範囲で落下する水滴を受けても有害な影響がない |
3 | 鉛直から60度以内の範囲で水滴が噴霧状に落下しても有害な影響がない |
4 | あらゆる方向から水の飛沫を受けても有害な影響がない |
5 | あらゆる方向から噴流水を受けても有害な影響がない |
6 | あらゆる方向から強い噴流水を受けても有害な影響がない |
7 | 一定の水圧で一定時間(30分間)水中に浸けても有害な影響がない |
8 | 連続的に水中に置いても有害な影響がない |
この定義だと、iPhone 7/7 Plusは「完全防塵」かつ「30分間の水没に耐えられる防水性能」を備えるということになります。バケツにためた水に入れても問題なく動作したこともあり、トイレに落としたり、突然の大雨で濡れてしまったりしても、無事使用できる可能性が高いです。
実際にお風呂で使っている人もいますが、基本的にこうした防水テストは「真水、常温」で行われるものであり、シャンプーやせっけんなども事故のもとなので、「防水スマホだから」と安心していると、故障してしまうかもしれません。
スマホをトイレに落としてしまった、うっかり洗濯機で洗ってしまった──こんなときは、絶対にスマホの電源を入れないようにしてください。うっかり電源を入れると、内部に浸入した水が原因で電子回路がショートしてしまうことがあるからです。電源がオンになっている場合は、すぐに電源を切りましょう。
スマホカバーの他、可能ならSIMカードも取り出しておきましょう。充電端子やイヤフォンジャックなど隙間に入った水分はティッシュなどで吸い取ります。端末を振って水を出すのは絶対にNG。端末内に水が広がって状態が悪化する可能性があります。目に見える水分を取った後は、チャックの付いたフリーザーバッグに乾燥剤と一緒に入れておくのがお勧めです。
完全に故障してしまった場合は端末メーカーやキャリアなどのサポートに問い合わせましょう。
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