順当に行けば、日本時間の9月11日に発表されるであろう新型iPhone。7月あたりから、国内外のSNSやニュースサイトでさまざまな“ウワサ”が流れ始めた。
この記事では、「生体認証」に焦点を当てて新型iPhoneの予測をまとめる。
2018年のiPhoneは、全モデルともに「Face ID」を使った顔認証を導入した。ディスプレイをフレームいっぱいに広げた結果、指紋認証を行う「Touch ID」を設置するスペースがなくなってしまったことが背景にあると思われる。
顔認証は指紋認証よりもすばやく認証できることが大きなメリット。特にFace IDのように赤外線(IR)カメラを使って行う方式の場合、暗い場所でも認証できるので利便性が高い。
一方、顔認証は顔が大きく隠れるものを身につけていると認証が通らないという欠点も抱えている。また、赤外線カメラを用いる方式の場合、明るすぎる場所では認証が通りづらいという課題も抱えている。
間もなく2019年モデルが出るというこのタイミングでも、2017年モデルである「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」は未だに売れ続けている。2018年モデル発売時に値下げが行われたことや、一部のキャリアがさまざまな「おまけ」を付与して販売していることも理由ではある。
しかし、コストパフォーマンスからこれらの旧機種を求める人だけではなく、「指紋認証が良い」「ホームボタンがどうしてもほしい」という理由で、あえてFace IDを搭載しない旧機種を購入する人も少なくない。
そのようなこともあってか、2019年の新型iPhoneでは指紋認証機能の復活を予測する記事も見受けられる。知的財産権の観点からAppleの動向を追っているサイト「Patently Apple」によると、Appleが光学式指紋認証に関する特許を米国で取得したことが確認されているという。
光学式指紋センサーは画面の下に設置できるというメリットがあり、画面をボディーいっぱいに広げても正面に指紋センサーを“温存”できる。一部のAndroidスマートフォンでも、光学式指紋センサーを搭載することで画面の面積比率を高めたモデルが存在する。
画面内に設置できる指紋センサーとしては、光学式の他に超音波式も存在する。こちらもAndroidスマートフォンでは実用化済みだ。
方式はどうあれ、iPhoneの指紋認証が復活すれば、Face IDの弱点をカバーすることができる。その上で引き続きFace IDも搭載されることになれば、状況に応じて生体認証を使い分けられるので利便性が増すことになる。
ただし、生体認証デバイスを2つ搭載することは端末の製造コストが増す原因となる。ただでさえ新型iPhoneの価格は高い傾向にあるため、「画面内指紋センサー搭載は見送るのでは?」という見方もある。
どう転ぶにしても、、新型iPhoneの生体認証は、従来よりも使いやすい形で出てくることを期待したい。
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