KDDIやソフトバンクなど21社の電気通信事業者は1月27日、電気通信事業法第127条に基づき、総務大臣宛に「NTTグループによる共同調達に係る意見申出書」を提出した。2019年12月17日に総務省の「情報通信審議会」において行われた「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」に対する最終答申を踏まえ、NTTグループ企業の「共同調達」についてくぎを刺した格好だ。
なお、この申出書は提出者となる21社の他、ジュピターテレコム(J:COM)など8社を加え「趣旨に賛同する29社」の総意として提出されたものだという。
今回の申出書が提出されたきっかけは、「電気通信事業分野における競争ルール等の包括的検証」の内容にある。
この包括的検証では、通信事業者のグローバル展開や研究開発などに対する投資を促進する観点で、公正競争を阻害しない措置を加えた上で、NTTグループの共同調達に関する規制を緩和することが盛り込まれている。
現在の規制では、NTT(日本電信電話)や、同社から事業分割して誕生したNTTドコモやNTTデータ、東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)、NTTコミュニケーションズなどが共同で資材を調達することが禁止されている。これを緩和し、NTTドコモを除くNTTグループ企業が機材を共同調達できるようにする方向が示されたのだ。
総務省の最終答申案の資料(PDF形式)では、NTT東日本とNTT西日本が共同調達するという例が示された。両社が光回線について統一仕様の機器を導入することを想定したと思われる。
申請書を提出した21社は、今回の答申に盛り込まれた「公正競争を阻害しない措置」について具体的なデータや根拠が示されておらず、議論が十分でないと指摘。「公正な競争環境が後退し、来る5G時代において利用者料金の高止まりやイノベーションの停滞が起こる」と、共同調達の“マイナス面”の影響を強く訴えかけている。
今回の申請書では、大きく以下の3点について総務大臣の意見を求めている。総務大臣は、「これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない」。
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