ニュース
» 2019年11月22日 17時11分 公開

「新プランに移行しても解約金9500円は法令違反では」 KDDIがドコモを批判【訂正あり】 (1/2)

10月1日から施行された改正電気通信事業法に合わせ、3キャリアはどんな施策を行ったのか。総務省の研究会では、旧プランから新プランへ移行したにもかかわらず、従来の解約金9500円がかかるのはおかしいという意見が出た。他に、頭金の存在を疑問視する声も挙がった。

[田中聡,ITmedia]

 総務省が11月21日、モバイル市場の競争環境に関する研究会(第20回)と、ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの検証に関するWG(第19回)の合同会合を開催。改正電気通信事業法(以下、改正法)施行前後の取り組み状況や、SIMロック解除などの状況を、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアが説明した。

総務省 研究会の様子

NTTドコモ:粗利を削って端末価格を下げた

 NTTドコモは、10月1日から分離プランの「ギガホ」「ギガライト」の条件を、改正法に合わせたものに変更。解約金を9500円から1000円に値下げし、2年契約あり/なしの月額料金差を1500円から170円にする。2年契約なしを選んだ場合でも、ドコモ利用料金の支払い方法に「dカード」「dカード GOLD」を設定した場合、月額170円を割り引く「dカードお支払割」を提供している。

 6月から提供しているギガホとギガライトは、2019年10月21日時点で申し込み件数が800万を超え、直近では900万を超えたという。2019年度末には1700万契約に達する見込みだ。

 ギガホとギガライトでは従来提供していた「月々サポート」を廃止して定価販売が基本となったため、ユーザーの負担を減らすために粗利を削って価格を下げたという。例えば「iPhone 11」は7万9200円(税別、以下同)、「Galaxy A20」は1万9440円で販売しており、「一般的な市場価格よりも低廉な価格で提供できている」と同社は話す。「これからも4万円以下のスタンダードモデルをそろえていきたい」とした。

総務省 ドコモは粗利を削って端末代を安価にした

 分離プラン移行に向けた取り組みとして、ギガホの月額料金を1000円×6カ月割り引く「ギガホ割」、フィーチャーフォンからスマートフォンに乗り換える人の月額料金を1000円×12カ月割り引く「はじめてスマホ割」を実施している。新プランについてメールやダイレクトメールで告知する他、ドコモショップ店頭で料金相談フェアを定期的に実施している。

KDDI:旧プランから新プランへの移行で解約金なし

 KDDIは、10月1日から改正法に合わせた新プランとして「auデータMAXプランPro」「auフラットプラン7プラスN」「新auピタットプランN」などを提供している。2年契約を適用すると、月額170円安くなり、解約料は1000円に値下げした。KDDIによると、分離プランの加入者は1600万人に上るという。

 Webサイトやカタログでは新プランを広く訴求し、店頭では利用実績に基づき、ベストなプランを推奨しているとのこと。旧プラン契約者に対しては、更新月が来る前に新プランへの変更をメールで案内している。

 auの旧プランから新プランに移行する際、利用期間にかかわらず解約金の9500円は発生しない。これはソフトバンクも同様。一方ドコモの場合、2019年9月30日までの契約者が10月1日以降にギガホやギガライトに申し込むと、現在の契約期間が満了するまでは現在の条件が適用され、更新月以外にドコモを解約すると、変更前プランの解約金がかかる。例えば2019年9月にドコモの旧プランを契約して、10月に新プランに移行しても、9500円の解約金なしで解約可能になるには2021年8月まで待つ必要があり、“留保期間”が生じてしまう。

 KDDIは「旧プランの人を新プランに移行する際の障壁をなくす」ために解約金を不要としていると説明する。名指しこそしていないが、ドコモの新プラン移行で解約金が発生する点について「適合プランに移ったにもかかわらず、実態として9500円かかるので、法令違反なのではと考えている」と批判する。

総務省 auは旧プランの利用期間にかかわらず、新プランへの移行に伴う解約金はかからない。その後、auを解約しても解約金は1000円となる
総務省 一部他社(ドコモ)との比較。ドコモは旧プランについては、従来の条件が引き継がれ、新プラン移行しても、更新月以外に解約をすると9500円がかかる

 この点に関して構成員からも指摘が入ると、ドコモは「2年契約は、2年使うことを約束して料金を安くしている。施工前に契約した人は、既往契約の考えに基づいて留保する」と説明する。既往契約に対して従来の条件を続けることは、改正法のガイドラインでも特例として認められており、法令違反をしているわけではない。ただしキャリアは改正法に適合したプランについて周知することが求められており、周知不足などが原因で新プランへの移行が著しく進まなければ、何らかの措置が取られるかもしれない。

総務省 既往契約については、改正法施行前の条件を継続できることが許容されている。ガイドライン(※PDF)の7(2)にも明記されている

【訂正:2019年11月23日22時55分 初出時に、「更新月以外にドコモの新プランに移行すると、解約金9500円がかかる」旨の記述がありましたが、正しくは「ドコモの新プランに移行後、従来プランの更新月以外にドコモを解約すると、解約金9500円がかかる」でした。おわびして訂正致します。】

ソフトバンク:半額サポート+の名称を変更

 ソフトバンクは、改正法に適合したプランをSoftBankブランドでは9月13日、Y!mobileブランドでは10月1日に提供開始した。2ブランドで共通しているのが、2年契約と解約金を撤廃したこと、料金を改定したこと、新プラン移行時の解約金を免除したことを挙げる。

 改正法に適合させた残債免除プログラムとして「半額サポート+」を9月13日から提供していたが、月額390円のプログラム料がかかることから「実際には半額ではない」との指摘を受け、10月10日に「トクするサポート」へと名称を変更。また、他キャリアのユーザーが購入した場合、そのキャリアのSIMをすぐに使えるよう、クレジットカードで購入したソフトバンク以外のユーザーに限り、即日のSIMロック解除に応じるようにした。

総務省 「半額サポート+」から「トクするサポート」に名称を変更
総務省 他キャリアユーザーのSIMロック解除条件を緩和した
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう