5Gが創出する新ビジネス

総務省が「ローカル5G」のガイドライン公表 12月24日から免許申請受付MNOとの関係は?

» 2019年12月17日 18時01分 公開
[田中聡ITmedia]

 総務省が12月17日、「ローカル5G」に関するガイドラインを公表した。

 ローカル5Gは、携帯キャリア(以下、MNO)が展開する5Gサービスとは別に、企業や自治体などの事業者が、建物内や特定地域などのエリアで提供する、自営の5Gサービス。工場内の生産性向上、地方の課題解決などを目的とした利用が想定されている。

 総務省は2019年9月28日から10月28日までに意見募集を行い、そこで提出された意見を踏まえ、「ローカル5G導入に向けたガイドライン」を策定した。合わせて、2019年12月24日にローカル5G無線局免許の申請受付を開始する予定。

ローカル5G 総務省の報道発表

 ローカル5Gで使用する周波数帯は4.6〜4.8GHz帯と28.2〜29.1GHz帯を想定しているが、現時点では28.2〜29.1GHz帯の100MHz幅の利用について法整備が済んでいる。ガイドラインでも28.2〜29.1GHz帯の利用を対象としている。

 ローカル5Gの導入当初は、商用5Gサービスと同様に、4Gインフラを基盤とするネットワーク「NSA(Non Stand Alone)」を採用するため、BWA(地域広帯域移動無線アクセスシステム)による4Gサービスを自ら提供するか、MNOや地域BWA事業者の4Gネットワークを利用する必要がある。

 ガイドラインでは、ローカル5GやBWAの無線局免許の申請手続や、電気通信事業として導入する際の考え方について、電波法や電気通信事業法とも照らし合わせつつ明文化している。

 免許申請に際して、近接するローカル5G免許人やMNOのネットワークと混信しないよう、カバーエリアは必要最小限の範囲にする必要がある。また、28GHz帯の5Gネットワーク割り当てを受けたMNOの無線局との間で同期を行う必要があるため、事前にMNOとの間で合意を取ることも求められる。

 MNOは当分の間、ローカル5Gの免許取得は認められないが、MNOの子会社など関連企業の免許取得は可能としている。MNOが5Gサービスを補完することを目的とした、ローカル5Gとの連携も認めていない。例えば、ローカル5GとMNOの5Gで使う帯域をキャリアアグリゲーションによって全国展開することが該当する。一方、ローカル5Gの事業者が、サービスを補完するために、ローミングなどでMNOのネットワークを利用することは可能としている。

 ローカル5Gについては、NECが本格参入することを12月17日に発表。他に、京セラ、エイビット、富士通、IIJ(インターネットイニシアティブ)、オプテージなども参入の意向を示している。

ローカル5G 工場、オフィス、病院、特定地域などでの利用を想定している(資料は京セラの決算会見から

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